法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 season24』第19話 暗闇の鬼

 新たな警視総監として叶恭次という警備局長が内定した。しかし叶が岩橋虔矢という男に接触されてから、各所で強盗事件が多発するようになる。岩橋は元特命係で、かつて叶にパワハラを受け、その録音を持っていたらしいが……


 メインライターだった輿水泰弘の脚本で、1時間超に枠を拡大した最終回スペシャル。シリーズ24期目にして、初めて元特命係が登場することが売りになっている。
 岩橋が録音ひとつを聞かせただけでコピーをもっていないと説明し、事実ただ一言でも謝罪してほしかっただけという真相は、ささいな過去がおおきな騒動をひきおこす寓話としては悪くなかった。
 しかしその真相は見ながら薄々感じていたので良くも悪くも意外性がないし、その証拠をおそれて叶がAIで身元を隠して未成年者を勧誘して強盗をさせたりといった事件も見たままで驚きがない。
 コネを総動員した叶がそれゆえ見捨てられたオチの愚かしさなども社会風刺としての味わいはあったが、鳴り物入りで元特命係を登場させた最終回としては肩透かしだった感はある。立ちあげたIT企業を売って富豪になり、現在は趣味的な私立探偵をおこなっている元特命係だが、その探偵らしさが活用される場面がひとつもない。
 とはいえ、これが過去の最終回スペシャルのように2時間枠であれば、もっと間延びしてつまらなく感じたことだろう。警察上層部のレギュラーメンバーを多数登場させつつも、通常回と大差ない重みで展開したことで、結果的に総合的に普通の回くらいの面白味はあった。