法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

そんな簡単に子供が影響を受けたら学校は苦労しない

あまりに物語作品への誤解が多くて、政治的に突っ込む気が起きない。
ドラえもん、仮面ライダーだって、今や子供を左翼洗脳で堕落させる道具 | 日本の面影

仮面ライダーについては、原作者 石森章太郎が関わったのは、1989年の仮面ライダーBLACKまで。
大切な仮面ライダーをこんな風にメチャクチャにされ、きっと石森先生は天国で泣いていることだろう(1998年没なので、既に12年も前)。

石ノ森章太郎自身が出演した『仮面ライダー真 序章』は黒歴史なのですね、わかります。ビデオが手元にある私には、よくわかります。

米国にもスーパーマンスパイダーマンバットマンのようなヒーローものはたくさんあるが、日本の仮面ライダーウルトラマンのように、勝手にキャラを次々と改変して新しいもの出すような、無節操なことはしてないぞ!

あまりアメコミにくわしくない私がいうのもなんだが、バットマン映画は五十歩百歩だと思うよ。
そもそも最初の『仮面ライダー』自体がマンガ版と大きく内容が異なっているのだし。

それと現在のドラえもん
2004年に声優が一斉交代され、その翌年にキャラの絵も改定された。

細かいことだが、メイン声優が交代したのは他のスタッフと同じく2005年。そしてキャラクターデザインは声優交代時に限らず、何度も変更されている。

その改定後のキャラでは、シズカちゃんに胸の膨らみが出て、とても女性的な体型に。

渡辺歩によるキャラクターデザインはすみずみまで原作通りです。*1

自分はドラえもんの原作コミックを最初の10巻ぐらいまで読んでたが、現在、放映中のドラえもんは、TV朝日の反日左翼思想が鮮明に表われており、原作イメージとは全く異っているということだ。

この人の主張を読んでいると、どうも女性が元気な描写が全て左翼思想に見えているらしい。

原作のシズカちゃんは、とてもシッカリ者で、チャラチャラと恋などしない。

しずちゃん*2はアイドルに「ウキー」と奇声を上げることもなければ、寝転がってサツマイモをほおばったりすることもないのですね、わかります。
……原作の、それも初期から見ている読者なら、むしろアニメのしずちゃんが良い子すぎて違和感を生じていそうに思うのだがな。

また、セーラームーンプリキュアのように、セクシャルで下品な格好で女が見境なく戦いまくるような子供向け番組なんか、昔はなかった。

ここに来て『キューティーハニー』の存在感。

NHKはよく見てないが、どうせ今や危ない内容でいっぱいだろう。今のNHKも、見せない方が無難。

せっかくだから見てから文句いおうよ。たとえば『十二国記』とか『プラネテス』とか見てほしいね。

子供に見せるのは、昔の番組のDVDだけにしよう。
子供の感覚に、古い・新しいはない。どんな番組を見ても、子供にとっては新しく新鮮。
人が子供であるのは、人生の最初のほんの一時期だけなのだ。

そうだね『太陽の王子 ホルスの大冒険』とか『太陽の牙ダグラム』とか見せたいね。


ところで、同一人物による下記のようなエントリもあるのだが。
「母はハリウッドに殺された!」 〜 何でも周りのせいの左翼脳とは | 日本の面影

「社会が悪い、社会のせい、社会を変えろ!」と言う、
左翼の言葉や志向性とは、女性的な発想法に完全に共通しているのである。

「左翼が悪い、テレ朝のせい、アニメを変えろ!」と言う、愛国者の言葉や志向性は、どのような発想法に完全に共通しているのであろうか。はてさて。

*1:引用は『ドラえもん』26巻129頁。

*2:原作ファンなら、こう表記するべきである。

読まずに批評という人生

そういえば、一時期の岡田斗司夫氏が見ずにアニメを批判するという芸を披露していたことがあった。
確かにオタク暦が長いと制作会社やスタッフを見ただけで出来を想定できるようにはなるが、大外れすることも多々あるのであって、もちろんオタキングのそれもライターとしての「芸」にすぎない。


ふと思い出したが、id:NaokiTakahashi氏には『最後から二番めの真実』を実際に読んで、実際に「藪の中」と変わらないかどうか評してほしかったところ。
本格的な返事は後日 その4 - 法華狼の日記

>他に言及した作品は名探偵が人間として迷うわけではない。<推理の不完全性に探偵が人間的に(思想的に)くよくよ悩むのが新本格後期に見いだされた「後期クイーン問題」というテーマであって、単に決定不能なだけなら「藪の中」と変わらないのでは。
NaokiTakahashi
2010-06-08 13:32:57

コリン=デクスター作品のごとく長々と堂々巡りするような推理場面が好きでないと、読むにはつらい作品かもしれないが、単に決定不可能性を描いた話ではないことはわかるはず。それを読んでから『人魚とミノタウロス*1を読むと、後期クイーン問題に一つの解決策を見いだしたがゆえのドラマが楽しめるようになる。


一応、氷川透作品については私から例示したので、応答する時に未読でもしかたない面はある。
まとめよう、あつまろう - Togetter

>新本格以降のミステリは二階堂作品の領域にとどまったままだ。<あなたのくだらない思想ごっこの観点で見ればそうかもしれないけど、それは、単に問題意識としてとっくに捨てられているからですよ。
NaokiTakahashi
2010-06-06 01:25:24
いや、ちょっときつすぎる言い方だったかも知れないが。天才で特権的な超越者としての「探偵」が、読者にも了解可能に人間的な悩み方をする物語、なんてのがもう流行じゃないんだよね。清涼院/西尾以降は。
NaokiTakahashi
2010-06-06 01:28:34

しかし、清涼院/西尾以降に問題意識として拾った作品があることを指摘しているのに、「あなたのくだらない思想ごっこ」「単に問題意識としてとっくに捨てられている」と読まずに返答された時の私のガッカリ感を、今こそ共感してほしいかな……

*1:こちらは佳作だと思う。セクシャルマイノリティの扱いも、少し珍しい。