法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

読まずに批評という人生

そういえば、一時期の岡田斗司夫氏が見ずにアニメを批判するという芸を披露していたことがあった。
確かにオタク暦が長いと制作会社やスタッフを見ただけで出来を想定できるようにはなるが、大外れすることも多々あるのであって、もちろんオタキングのそれもライターとしての「芸」にすぎない。


ふと思い出したが、id:NaokiTakahashi氏には『最後から二番めの真実』を実際に読んで、実際に「藪の中」と変わらないかどうか評してほしかったところ。
本格的な返事は後日 その4 - 法華狼の日記

>他に言及した作品は名探偵が人間として迷うわけではない。<推理の不完全性に探偵が人間的に(思想的に)くよくよ悩むのが新本格後期に見いだされた「後期クイーン問題」というテーマであって、単に決定不能なだけなら「藪の中」と変わらないのでは。
NaokiTakahashi
2010-06-08 13:32:57

コリン=デクスター作品のごとく長々と堂々巡りするような推理場面が好きでないと、読むにはつらい作品かもしれないが、単に決定不可能性を描いた話ではないことはわかるはず。それを読んでから『人魚とミノタウロス*1を読むと、後期クイーン問題に一つの解決策を見いだしたがゆえのドラマが楽しめるようになる。


一応、氷川透作品については私から例示したので、応答する時に未読でもしかたない面はある。
まとめよう、あつまろう - Togetter

>新本格以降のミステリは二階堂作品の領域にとどまったままだ。<あなたのくだらない思想ごっこの観点で見ればそうかもしれないけど、それは、単に問題意識としてとっくに捨てられているからですよ。
NaokiTakahashi
2010-06-06 01:25:24
いや、ちょっときつすぎる言い方だったかも知れないが。天才で特権的な超越者としての「探偵」が、読者にも了解可能に人間的な悩み方をする物語、なんてのがもう流行じゃないんだよね。清涼院/西尾以降は。
NaokiTakahashi
2010-06-06 01:28:34

しかし、清涼院/西尾以降に問題意識として拾った作品があることを指摘しているのに、「あなたのくだらない思想ごっこ」「単に問題意識としてとっくに捨てられている」と読まずに返答された時の私のガッカリ感を、今こそ共感してほしいかな……

*1:こちらは佳作だと思う。セクシャルマイノリティの扱いも、少し珍しい。