法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』クリスマスなのにマヌケなヤツらが大集合全員逮捕だ2時間SP

「マヌケな911」は、全米からよせられるくだらない緊急通報を実際の音声とともに紹介。閉じこめられた泥棒が助けを求めたり、キグルミのゴリラがマスコットの縄張り争いでキグルミのバナナに暴行されたり。
 デート直前に自動車が鳩の糞だらけになったという通報などは、ただマヌケというより怒りまかせのやつあたりではないか、とは思った。


「警察インターセプター」は英国の特殊な警察部隊インターセプターを前半と後半の二回にわけて紹介。現実のカーチェイスをさまざまな角度から撮影した映像など、死者が出ていないこともあって他人事と思えば娯楽的な面白味はある。


「あなたの知らない同居人」は、米国で1986年に父子家庭の姉妹が降霊術をきっかけに恐怖体験をしたという実話。公式サイトのサブタイトルでネタバレをしているし、番組の予告的な説明でも真相を暗示してしまっていたことが残念。
 いや今回の番組テーマからすれば人間が犯人ということは察すべきだろうし、「フロギング」という犯罪累計はすでに有名なので前情報がなくても真相はわかったとは思うが、もう少し超常現象を現実的に解明するタイプのミステリとして構成してほしかった。
 ただ、中盤であらわれた犯人の恐ろしい姿や、そこから犯人をつかまえるまでに意外と手間と時間がかかり、異なるホラージャンルへ展開したことで独自の面白味はあった。顔にペイントをして斧をもってあらわれたり、警察が介入してもメッセージをはって挑発したり。
 ただ保釈された後にまたフロギングをおこない、殺人までおかしてしまった後味の悪さはひどい。


「ザ・マンハント メキシコ編」は、元米軍人ジョエルが各国の特殊部隊からひとり逃げまわり時間内に予定場所へたどりつくというリアリティショー。
 今回はメキシコで、ジョエルが24時間以内にどこかにたどりつくまで、警察の特殊部隊がつかまえなければならない。ゴール地点すら不明な状況だが、都市部の監視カメラを活用して早々に発見。一方ジョエルは自動車に乗って逃走し、監視カメラの存在しない小さな村で姿を消した。
 そこから荒野をつっきろうとするジョエルと、幹線道路に隊員を配置してヘリコプターも動員する特殊部隊のせりあいがはじまる。たがいに裏をかこうとして、最終的にちいさな街を逃げまどうジョエルを聞きこみする警察が追いつめ、ジョエルはゴールの自動車に乗れないまま捕まった……
 ……見ていてどうしても疑問だったのが、ジョエルはひとりで自撮りしながら逃げるのではなく、カメラマンをつれて逃げていること。あまりリアリティショーでカメラマンの存在にとやかく言いたくはないが、それなりの重量があるだろう撮影機材をもって追随できるスタッフの体力はジョエル以上ではないかと思えてしまう。かといって終盤にカメラマンが先に警察に見つかってジョエルが不利になった展開も娯楽としてどうかと思った。


「危険なお仕事」は、南米のベネズエラやコロンビアに潜入し、経済破綻している両国を密輸でかせいでいる人々に密着。
 石油だけは安いベネズエラからは、容器がないからとポリ袋までつかって危険な密輸をおこなう。密輸相手とは話がついておらず、取材陣がおどされたりも。「ザ・マンハント」とくらべてカメラマンの存在が自然。
 他に自動車をつかって密輸する男は監視をやとっていて、検問がきびしくなっていることを教えてもらったりする。どの密輸関係者も貧しく、言動は凶悪だが肉体をよく見ると痩せ衰えていたりするのが痛々しい。


シドニー殺傷事件」は、2019年8月13日に豪州の繁華街で発生した凶悪事件を実際の映像をつかって紹介。若い男が白昼堂々と刃物をふりまわし、カバンに爆弾をいれているとも語る。
 そして弁護士らが路上にある椅子を盾につかって男に対峙したり、他にもさまざまな職業の男が協力して致命的な犯罪をふせぎきった。
 男は路上に出る前に殺人をおかしており、その対象がセックスワーカーの女性だったことがいわゆるフェミサイドを思わせる。それでも路上に出た後は傷害事件をおこしつつも群集が協力してとりおさえた社会が救いだ。
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