法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 season22』第3話 スズメバチ

 公園で死体が発見されるが、スズメバチの巣があるため処理業者が来るまで近づけない。そして死体は生きているという電話が警察にかかるが、特命係が決死の覚悟で近づくと間違いなく刺殺体だった。
 一方、特命係の一員だったこともある陣川がまたしても女性を助けようとしていた。その女性は死体の恋人だったが身近で窃盗をくりかえしていて、そのたびに恋人が謝罪してまわっていたという……


 岩下悠子脚本。ミステリらしい構図の逆転などはあったが、残念ながら真相があまりにアンフェア。解決編にはいってから次々に新情報を杉下が語って、それが手がかりとして犯人の動機や犯行の経緯が推理される。
 せめて真犯人を脇役であるかのように隠そうとするより、きちんと詳細な情報を先に開示しておいて、この構図の事件であれば犯人ではありえないプロフィールであるかのように視聴者を誤認させる方向にしたほうがフェアな印象になっただろう。
 他人の前では女性をかばってみせる男性が実際は女性をコントロールしたいだけだったという構図の逆転は悪くないが、陣川が恋する女性は犯罪者であっても心底の悪人ではないことがパターンということもあって簡単に予想できてしまった。


 DV被害者が過去にもいて、間接的に被害者の女性同士が助けあったという真相はDVテーマのドラマとしての意味はあるが、つまりは被害者の逆襲という構図は何も変わっていないので真相の意外性が弱い。陣川の恋した女性の立場も一周まわって途中の推理で暗示された立場にもどったので、ドラマとしてまわりくどいだけという印象ものこった。
 むしろ陣川の恋した女性がすべての犯人かつドラマで描かれたDV被害者だったという真相のほうが、真犯人の手がかりを解決編で初めて語るようなアンフェアさもないし、全体のプロットがすっきりとおったのではないか。