法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 Season20』第4話 贈る言葉

友人の世界的ゲームクリエイター鴫野のため、結婚スピーチを考えている陣川。特命係に相談してもうまくいかず、鴫野を助けているスピーチライター宮森の協力もあおぐ
しかし鴫野のチームを辞めた男が死体となって見つかり、男が鴫野へ送った脅迫メールも判明した。そして仕事を何度もやりなおさせていた鴫野が窮地に立たされる……


神森万里江脚本で、ちょっとBLチックな愛憎ドラマが描かれた。
あまりゲームにくわしくないが、鴫野のプロフィールは小島秀夫を連想させる。人気ゲームシリーズ最新作のたびかさなる延期や、独立をめぐる騒動も同じだ。
いかにも厄介なオタク的なゲーム制作者と思わせつつ、それなりに善良で人間くさい実態を用意することで、あまり偏見につながらないよう留意。そうして脅迫メールの位置づけが、信奉者だからこその厄介メールだったという逆転は面白かった。殺害の真犯人を中盤で判明させつつ、関係者の隠された策謀や心情を次々にあばいていくことで、ドラマの重心を殺人からずらして真相を読みにくくしているのもうまい。
専門学校の協力をあおいだらしい劇中ゲームのディテールもけっこうよくできていて、このドラマの水準的な作りだったと思う。