地の龍と天の龍、それぞれ7人。地球の存亡をかけて、さまざまな能力をもつ少年少女や青年たちが東京を舞台に戦うことになる。
CLAMPの同名漫画を原作にして、川尻善昭監督、マッドハウス制作で2001年にTVアニメ化。1996年の劇場版*1を手がけたりんたろう監督もOPEDにクレジット。
前半は監督が連続で脚本を担当して、絵コンテも序盤は連続で切っているので、かなり川尻濃度が濃い。意外と作画枚数はつかわず、止めと動きのメリハリと撮影素材で豪華に見せるだけで、当時のマッドハウスらしい画面を作っている。デジタル撮影を活用した空間の奥行きを感じさせるカメラワークも魅力的。
しかし世紀末の印象を残しつつヒリついた空気が流れるのは序盤までで、すぐにCLAMPらしい世界と恋愛の単純な二択をせまる物語になっていく。丁というキャラクターの暗躍が判明した場面では序盤の描写が伏線としてひろわれるので、監督の手をはなれたわけではないとは思うが。
WOWOWノンスクランブル放送作品にしては作画も弱い。5年前の劇場版にかなわないのはしかたないとしても、マッドハウスのトップクリエイターをメインスタッフに集めているのに、後半は当時の深夜アニメの水準レベル。さすがに最終回などはちょっと良かったが、同時代のサンライズやOLMには劣っている。
*1:当時のリアルな東京を舞台にひたすら破壊がくりひろげられる映像作品としては見ごたえがあった。物語については、良くも悪くも結末の台詞に心底から同意できる内容だった。