恒例の税関番組からは間抜けな犯罪者をピックアップ。初めて南米のさまざまな国境を撮影して、陸路を行き来する人々を映しだす。
いつもの空港と比べて貧しい庶民が多く、それゆえのバイタリティを感じたりもした。映画『ボーダーライン』も思い出したが、さすがにそれほど暴力的な場面は映らない。
イメージ通りにマリファナの密輸も出てくるが、それよりツナや電化製品や通貨などの身近なものが密輸されていることが印象深かった。
他に麻薬王パブロ・エスコバルも紹介。コロンビアから北米へ麻薬を売りさばき、巨万の富を庶民にばらまいて人気を獲得し、政界にまで進出した男の上昇転落を描く。
後半生は司法取引のように刑務所に自ら収監されながら、そこは豪邸のような場所で、自由に出入りができたし組織への指示も出しつづけていた。フィクションでよくある設定だが、実際に映像で見せられるとインパクトがある。
アメリカ政府の介入もあって失墜していった経緯や、逃亡中に家族と連絡をとったためにつまづいた末路など、アイロニックでドラマチックなエピソードが多かった。
