法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』やらかしちゃった

今回のテーマは、社会的な問題に意外とつながる内容だった。


最初に紹介されたのはイギリスの無賃乗車をとりしまる交通局員。乗る駅と降りる駅だけ料金をしはらうという古典的な手口だが、電子カードを利用していたことで発覚した。
www.london-ryugaku.com
今回は小さな犯罪を見つけ出すだけだったが、デジタル技術をつかった監視社会などのテーマにもつなげられそう。


ガーナで発見された海底油田について、その海岸でくらす貧しい人々の期待がふくらみしぼんでいくまでを紹介。
雇用創設が約束され、インフラ整備の計画も語られる。資格をもとめて高い学費をしはらって土木作業車の運転技術を学んだり、教師が観光客向けガイドに転身しようとしたり。
しかし共同開発する中国側から作業員が来たことで、約束された就職口は反故になった。なるほど開発側も熟練した作業員がつかえるなら現地雇用する必要はないだろうが、何らかの補償は必要なところだろう。
せめて漏れ出た石油が原因と疑われる海藻発生で、それをとりのぞかないと漁業ができなくなった問題くらいは、賠償金をしはらうべきだろうと思ったが……因果関係を否定することで補償もしないパターンなのだろうか。
また、番組では紹介されなかったが、日本の三井商船も事業に参加しているらしい。
www.mol.co.jp



南米チリでは、83歳の男が、老人ホームが虐待をおこなっていないか潜入調査する。元作品は映画としてアカデミー賞にノミネートされ、『83歳のやさしいスパイ』という邦題で今月から日本公開。
83spy.com
なれない電子機器の操作をおぼえて捜査したが、一周回って真相は見た目どおり。たまに本格推理でも見かける展開であり、これはこれで意外と探偵映画らしさがあった。捜査は下手なのに入居者の女性たちから人気をあつめて調子にのっていく探偵が、なぜ依頼した家族が面会に来ないのかという疑問をズバッと正面から指摘する切れ味に、ちょっと名探偵っぽい雰囲気があったのだ。
ただ、良くも悪くも『探偵!ナイトスクープ』を思い出したところもある。取材陣は別のドキュメンタリーを撮影するふりをしていることや、最終的にドキュメンタリーとして広く公開することを忘れたような踏みこみなど。TVのバラエティ番組っぽさがあったというのも正直な感想。