法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第13話 ドタバタ校内放送!響け、人魚の歌!

校内放送で人魚の噂話が流れ、夏海たちは放送委員に興味をいだく。さっそく向かってみると、お昼の校内放送を聞いてもらえていないことに放送委員はなやんでいた。
さっそく夏海はトロピカる部として協力することを申し出る。そして校内放送がはじまるが、パーソナリティを担当していた放送委員が腹痛で退場してしまい……


成田良美脚本に、ひさびさの感がある小村敏明コンテ、赤田信人作画監督。全体的にシリーズでも古いスタッフが集まった感じ。
舞台を制限して脚本の力で楽しませるエピソードかと思いきや、かなり話作りがゆるい。伏線を細かく入れて課題と解決を複雑に構成するかと思いきや、浅い問題を何となく通りすぎて、学生の校内放送らしく時間がだらだら流れるだけ。意外な大失敗をするわけでも意表をついた大成功をするわけでもない。
ネタ集めをするため大食い料理という無茶をしたパーソナリティからSNS時代に通じる問題を描くかと思いきや、それは単に退場させてトロピカる部がピンチヒッターになるための手続きでしかなかった。


絵作りもゆるい。あまり映像リソースを必要としないシチュエーションということもあってか、作画は全体的に整っている部類だと思うが、いわゆる顔芸のような表情や、目線の芝居の面白さなどはない。アバンタイトルなどで人物を真正面から映す単調なカットがくりかえされる。
校内放送をしめるため流すローラの歌と同時並行で市街地のバトルがおこなわれる状況も、きちんと歌にカット割りやアクションを同調させれば『マクロス』シリーズのような興奮が生まれたろうに、さらっと流されてしまった。


何が起きても「このまま行くしかない」と止めない一之瀬や、生徒の相談を無茶ぶりされては努力しか答えない滝沢の脳筋ぶりなど、期待しすぎなければキャラクター回として楽しめたとは思う。シチュエーションにあわせたコンセプトを期待しすぎたのが良くなかった。