母のミスで、ふたつにわかれた弁当箱の両方ともが白米になってしまった夏海まなつ。そこでトロピカる部のみんながオカズをわけてくれた。
滝沢が自分で弁当をつくっていると聞いた夏海は、仕事をしながら弁当を用意する母を自分も助けようと、部活動で弁当づくりを学ぼうとする……
シリーズでは『ハートキャッチプリキュア!』以来の井上美緒脚本に、主にマッドハウスで活躍している西村聡*1がコンテとしてシリーズ初参加。
前回の砂浜ランニングは部活じゃないのか?といった疑問などありつつも、これまでのストーリーから少し違った話運びで、今作のテーマを拡張してくれた。
現在の少女たちの生活を何より大切にするというメッセージ性がいい。いそがしい親を助けるためという動機にいわゆる「ヤングケアラー」の問題を感じつつ、手作り弁当に冷凍食品などをつかったり省力することを肯定する。プリキュアとして戦うさなかに弁当で腹ごしらえする前代未聞の展開も*2、戦闘より優先するものがある証明だ。
脳筋な滝沢が家事が得意なことに社会的な立場の反映が感じられたり、一之瀬がただ料理下手なのではなく栄養優先で意識的に味を捨てていたり、キャラクターの一貫性を守りつつ違う顔を見せて楽しませたことも良かった。あいかわらず涼村のキャラクターが弱いので、そこは今後に期待したいが……
*1:ただ東映作品では同期の『DRAGON QUEST ダイの大冒険』でローテ演出家に入っている。
*2:まあ『ハートキャッチプリキュア!』なら来海えりかがやりかねないが……