法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

第二次安倍政権の二度にわたる消費税増税と、王が名君と呼ばれる条件について

民主党内でも保守派だった野田政権において、民主党自民党公明党の合意により消費税増税が決まった。
そこで民主党は大量の造反者を出して自民党に責められた。参議院では民主党より自民党の賛成票が多い逆転も起きた。
参議院で消費税増税を決めた議員は、民主党より自民党が多かったことは記憶しておきたい - 法華狼の日記

消費税増税そのものについては、当時に政権をとっていた民主党の責任を最も強く問うまでは理解できる。景気条項を自公政権が外した問題などを無視すれば。

そして自民党公明党が連立与党となった第二次安倍政権において、消費税を増やすことを制限する景気条項をはずした。
消費税増税に反対する反緊縮派やリフレ派は、第二次安倍政権で何度か増税が延期されたことを賞賛した。


民衆のために政治をする王が、「名君」と呼ばれることがある。
英雄たちの選択 「すべては民のために!“名君”徳川宗春の挑戦」 | 番組表検索結果詳細 | NHKクロニクル
しかし民主主義制度では民衆のために政治をすることは前提であって、それ自体はわざわざ賞賛する必要はない。
もし安全装置を外した人物が安全運転をすることに、賞賛する必要がどれだけあるだろうか。その人物が二度も事故を起こしたとして、安全装置がないからしかたないと擁護する必要があるだろうか。
別の人物が事故を起こしそうだと心配して、運転を交代させないという判断は妥当だろうか。いつまでも同じ人物が運転できない以上、できるだけ個人の資質にたよらないシステムにしておくべきではないか。


システムを不安定にするほど、安定性を人質にして立場を維持できる。次の担当者が安定しづらく苦労すれば、前任者が賞賛されて再任を求められる。
まさかそのようなことがあるわけがない。あっていいはずがない。