リゾート開発企業とオーベルジュの契約金1億円が強奪された。被害者の知人としてゲイバーのママが、特命係に捜査をたのみこむ。被害者の実家はかつて旅館で、同じリゾート開発企業に買収された過去があったが……
シーズン1から登場したゲイバーのママが、シーズン6以来ひさしぶりの出演。旧相棒の亀山薫と知りあいという設定なので、相棒交代後に出番がなかったことは理解できる。
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12年ぶりに呼んで頂けた事にまず感謝ですが、ヒロコママが都会の片隅で生きていて、全くスタンス変わる事無く、現役で生活して居る事に、感動です!
しかし約十年たって変わらないゲイ描写は良いのかどうか悩む。劇中で提案されたように花の里の代替としてゲイバーを使う展開は面白そうだが、より慎重さが要求されるだろうなとも思う。
特命係の旧知というだけで、ゲイという側面が謎解きにまったく関係しなかった自由さは良かったが、それが許されたのは単発回だからだろう。
事件の構図はわかりやすい。リゾート企業がヤクザを使ってまで強引な買収をくりかえしており、その復讐が動機らしいことが早々に判明する。
被害者兄弟の旅館の日々を折り鶴というモチーフで思い出したり、兄弟のかばいあいが事件を混乱させたりといったパターンは良いとして、そこから真犯人を隠す手つきがうまくない。
契約がおこなわれた場所のレストランも旅館と同じような事態におちいっていた設定が語られた時点で、兄弟につぐ容疑者と視聴者にわかってしまう。推理をはじめた後で、強奪事件直後にレストランが借金を全額返せたと杉下が後づけで指摘するにいたっては、金の流れを追えば特命係でなくても真犯人にたどりつけたろう、としか思えなかった……
もう少しレストランを容疑の網から逃す巧妙さがほしかった。ただ現場を調査するためという理由でレストランに特命係が行って、そこでオーナーや客との会話から間接的に経営危機回避の情報が集まるとか……