法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界の悪い奴ら・間抜けな奴ら 全員逮捕だ! SP

2時間SP。小峠英二イジリが多すぎて、芸人のギャグと理解しつつも不快だった。
公式サイトのバックナンバーでは紹介されていないが、タイで動物保護者が首都での象使いをやめさせたり、トラ寺院への摘発を推進したりといった番組もあった。


「究極の脱獄をした人々」は、アメリカの刑務所で脱獄をこころみた近年のケースを追う。しかし殺人犯に女性看守が惚れてしまった事件も、先に釈放された共犯者とその知人に助けてもらおうとした事件も、以前に見たおぼえがあって新味がない。
「パリ警察24時」は、パリ北部のベッドタウン、ドランシーで多発する犯罪を追う。監視カメラがはりめぐらされた街で、自動車に放火される事件や、組織の車に給食が配られている麻薬の売人など。とはいえ泥酔した困った男など、日本の同種の番組の延長上ではあった。紹介後に、そうした売人が生み出されるのは、きちんとした福祉がゆきとどいていないためでは、という指摘をゲストがしていたのが良かった。
「悪質な修理業者たち」は、意図的な故障で業者を呼び、その悪質度を調査するカナダの番組。ずっと以前にも同種の番組が紹介されていたが、そちらは良質な業者は賞賛もしていた。対して今回は、悪くない業者は長々と紹介せず、さまざまな業者の悪事を見せていく。
ただ蛇口のネジをゆるめただけの水漏れに対して、ただ蛇口を新しく交換するだけでなく、資格を持たない業者が派遣されるわ、勝手にシンク全体をとりかえようとするわ……ガレージのセンサーの誤作動にいたっては、新品の配電盤をとりかえようとする業者がガレージ内で小便をする始末。
なお、ゲストの三輪記子弁護士によると、日本では名誉棄損になりかねないので同種の番組は難しいという。金銭の受け渡しが発生しなければ詐欺にならないし、騙されていると理解して代金を払っても詐欺にならないから、だとか。
ケニア:ショッピングモールテロ事件」は、2013年9月にナイロビのショッピングモールをソマリアの過激派が攻撃した事件を追う。たった4人だが重武装のテロリストにより、モール内部は大混乱。銃弾で負傷する人々や、幼い子供を守ろうとする母や周囲。モールゆえに監視カメラ映像が多く残されていて、実際の映像で事件の経過が描かれていく。
子供を守ろうと、何の関係もない第三者が助けてくれたり、母が妹を守るのを助けようと幼い長女がひとりで走ったり。ひとりの母親がテロリストに対して子供がいることをアピールし、その周辺の子供をつれて堂々と退出できた局面もあった。スワットの到着を待って踏みこめない警察を横目に、私服警官と民間人7名が現場に突入、それを報道カメラマンが追いかける映像も、映画さながらの緊迫感。7名が囮役と人質救出役のふたてにわかれる作戦もよくできている。
映像作品として、きわめて興味深い内容ではあった。将来に映画化されてもおかしくなさそうに思ったほど。しかし事件終結まで二日かかったことや、60人以上の死者が出た経緯まではくわしく描写されていない。あくまでテロ事件のマクロな全体像について知っている視聴者が、実際の映像でミクロな局面を知るための番組という印象もあった。