法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界の悪い奴ら・マヌケな奴ら! 全員逮捕だ

弁護士の三輪記子らがゲストの2時間SP。


「ボディーカム・コップス」は、警官の胸部カメラ映像を世界各国から紹介。まるでFPSゲームの主観視点で、危険な犯人との緊迫した戦いが映されていく。燃える車両に閉じこめられた人を命がけで救う場面まであり、描写の大半がPOVと監視カメラで表現された警察映画『エンド・オブ・ウォッチ』を思い出さずにいられなかった。

もととなった番組の情報を検索すると、警官の胸部カメラを公開しているYOUTUBEチャンネル「PoliceActivity」なるものも見つかった。良くも悪くも興味深い光景が多い。
PoliceActivity - YouTube
「世界最大の強盗 - 強盗流芸術の道」は、1990年のボストン美術館盗難事件を追う。偽警官により警備員が騙されて、現在の日本円にして1000億円もの絵画が額縁から切り取られたという。いくつかの容疑者が浮上するが、どれも犯行時に刑務所に入っていて、黒幕の可能性は残りつつも実行犯へつながる手がかりはない。上がりつづけた懸賞金が5億円に達した時、容疑者のひとりが情報をもっていることをにおわせて、ジャーナリストに盗難されたらしい絵画を見せるが、無罪はできないので取引にならない。マフィアによってアイルランドまで絵画が運ばれたという情報も出てくるが、はっきりとしない。今のところは映画化するにしてもカタルシスのない不条理劇にせざるをえなさそう。
「キャットフィッシュ〜ネット恋愛の落とし穴」は、恒例のネットなりすまし恋愛を調査。裸写真を要求しつつ理由をつけて会おうとしない男性が、実は女性をパーティーで見初めてプロフィールをいつわった男性……と見せかけて、実は相談していた親友女性が正体だったというオチ。クローゼットなレズビアンというわけではなく、高校のころにひどい男性を紹介された復讐だという。しかし時間をおいて番組が様子をうかがうと、女性と親友はよりをもどしていた。どこかグラビティなものを感じたのも正直な感想ではあった。
象牙をめぐる犯罪」は、カメルーンの国立公園を中心に、密猟との戦いを描く。最初に生きるため象肉食をつづけている民族を紹介してから、しかし大半の象猟は象牙密売のためと説明。現場で警備員たちが密猟者を逮捕しても、違法な象牙細工を隠しもっている中国人を見つけても、買い手の中国人が豊富な資金力で放免させてしまう問題を見せていく。全体として中国批判のトーンが強い内容だが、遅まきながら中国政府が全面禁止に舵をきったことなども紹介していて、あくまで密猟を基盤とした市場をもつ社会の責任を問う作り。あまり偏見や差別を感じさせないところが良かった。