法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』大どんでん返し!ダマされたSP

「ベルギードッキリ&ブラジルドッキリ」は、視聴者にサプライズで大がかりなプレゼントをするためのドッキリ。
 病気の幼い子供が『スター・ウォーズ』が好きなため、病院の一角を映画のセットのようにして帝国軍が攻めこんでくるドッキリは見ごたえある。ダース・ベイダー男児の父という原作反映オチも笑った。



「死ぬまでダマし続けたアート夫婦泥棒」は、ニューメキシコ州の荒野の一軒家でなくなった老夫婦の家から、高額な美術品が見つかったというドキュメンタリー映画のダイジェスト。
 2017年というつい最近に見つかったのは、1985年にアリゾナ大学美術館から盗まれた、ウィレム・デ・クーニングという抽象画家の女性画。ふたりの男女が閉館間際にきて、女性が館員に美術品の説明をもとめている隙に、男性が額縁から絵を切りとっていったという。
 美術品強盗の似顔絵は、老夫婦の若いころに似ているし、盗難につかわれたのと似た赤い自動車も持っていた。日本の宮島もふくめ、世界中を旅行していた夫婦の家からは、周囲にレプリカと説明していた美術品にも本物が発見される。
 夫は美術愛好家だったらしく、ニューメキシコ州に住んでからいくつも絵画を描いていたが、内容はあまり評価されていない。さらに自伝的な小説を自費出版して、その内容がいくつか絵画泥棒の状況に酷似していた。ただし、妻と不倫した不法移民を殺して浄化槽に捨てたという描写は、たしかに夫妻は生前に他人が浄化槽をあけることを拒んでいたが、今回の調査では死体など見つからない。あくまで空想と現実の境界線をたのしむ愉快犯だったらしい。



アンダーカバー・ボス」は以前にも何度か放送された、企業の社長が変装して新入りとして現場の仕事を見聞するリアリティ番組
 今回は全米800以上の店舗を展開するファーストフード店、チェッカーズ&ラリーズ。薄くなった頭をカツラでごまかし、眼鏡などで別人に変装した社長が潜入する。
 いつもどおり中年の就職ドキュメンタリーと称して現場にカメラが入るので、登場する店員の行動が完全に普段どおりとはいかないはず。それなのに今回は2軒目で、マニュアルどおりにつくらない教育係に出会う。その教育係はシェフを目指して調理師学校に入っていたが貧困で挫折した背景があり、パテを焼くタイミングに自分でも疑問をもっているが、まともな研修もされないまま店長に指示されているという。その店長がパワハラめいた教育係をもっていき、おどろいた社長は正体をあかして店長を問いつめると、店長は新人教育法の研修は数日うけただけで人手不足の店舗にかりだされ、他の従業員全員が研修をうけていないことまで発覚。社長はいったん店舗を休業させ、全員へ研修をうけさせることが決まった……リアリティ番組にしては発覚した問題がセンシティブだが、このまま問題が継続する危険を思えば不幸中の幸いか。
 他にも1軒目の店舗で現場をきりもりする女性が地域によってことなる人気商品は継続するべきではと指摘したり、3軒目の女性は昇進しても給料がほとんどかわらないから現場にいることを望んだり利益をあげてもボーナスがマネージャーひとりにしか出ないことを批判したり。そこで最後に会議に出て意見を出してもらう立場にしたり、給与体制が変更される。この番組で過去に多かった個人に褒賞をあたえて個別の不満を解決するだけでなく、きちんと会社の制度に手をつけようとするところが良かった。