法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第27話 アツ〜いライブバトル!あおいVSミサキ!

立神あおいがボーカルをつとめるワイルドアジュールがライブフェスに参加できることとなった。そこには立神があこがれている岬あやねの口ぞえがあった。
同じ舞台でライブをすることが夢だったと立神は岬に語り、サインももらった。しかし立神と岬は同じ時間帯でライブをすることに決まっていた……



憧れに追いついて夢をかなえたと思ってしまった少女が、仲間に支えられて再起して、憧れだった存在へ並ぼうとする……作品のメインモチーフであるスイーツでは、宇佐美とキラ星で描こうとしつつ果たせなかったドラマ。商品展開を考えなくていいモチーフでなら描けるわけだ。
今回は岬のキラキラルが怪物を生みだすかと思いきや、逆に立神が変身したキュアジェラートが洗脳されるという展開も、珍しくて良かった。追いつくべき存在である岬の弱みは描かず、どこまでも立神の弱さを強調。ただ意外なだけではないドラマとアクションの融合があった。
もちろんスイーツにも出番はある。立神をはげますために皆がパティスリーに集まり、立神も製菓に参加する。ここでグミづくりを失敗し、さらに立神が落ちこむが、それも個性だという宇佐美の言葉で立ちなおる。ライブで敗けたことの総括としてズレているようだが、そうでもない。今は実力が足りないことよりも、それを認めることと、ただの後追いではない自分の可能性を知ることが必要なのだ。


脚本は香村純子で、演出は宮元宏彰。作画監督は赤田信人だが、いつもに比べて描き込みが細かい絵が多い。松浦仁美が原画で最初*1に離れてクレジットされているところからすると、かなり重要なカットか、相当量の原画を担当していそうだ。
ライブシーンではきちんとバンドを動かしていたし、対するモブも動かせないなりに見ばえする映像を作れていた。パティスリーでは斜めの俯瞰の構図を多用して不安感をあおる。会場の広さを利用したアクション描写も楽しかった。

*1:使いまわすために変身や必殺技を担当した時は、東映では基本的に最後にクレジットされる。