パティスリーに、みくという名前の幼い少女がおとずれる。ずっと入院していた剣城あきらの妹で、わずかな期間だが外出許可が出たという。
みくにたのまれ、パティスリーの店員としてむかえる宇佐美たち。いつも姉にはげまされているみくは、さらにプレゼントを贈ろうとするが……
これまで存在だけ語られてきた剣城あきらの妹が登場。病弱で入院がつづいているというプロフィールから想像される*1ものとは違い、活動的にふるまう。背丈こそ幼く小さいが、言動は背伸びして大人びている。
性格そのものに意外性の良さがあるし、姉をロールモデルとした人格として説得力もある。病人に弱々しさを期待してしまう心理を過ちと批判する内容とまではいかないが、さまざまな病気に体調の波があるという注意を喚起する内容ともとれる。
細かいところでは、ネット映像配信が小道具だった前々回*2から時代が一転して、ボックス型の公衆電話が登場。剣城あきらをパティスリーの外へ出させる物語のための小道具として機能する。もっともその機能のためだけならば、たとえば仕事場で私用の電話をすることをさけて裏庭で携帯電話をかけるシチュエーションなどでも充分だろうけど。
また、今回こそキラキラルで何らかの怪物をつくるかと思いきや、巨大な杖をつくって直接プリキュアと戦闘。対するキュアショコラもロッドをふりまわす。お菓子をつかって戦うという今作独自のシチュエーションが、武器をつかって戦うシチュエーションとなって過去の自己規制を破るかたちになった。
映像面では、いつものような青山充作画監督回。ほとんど一人原画で、おそらくキュアショコラの必殺技バンクだけ、もうひとりクレジットされている山田まさし作画だろう。あとアバンタイトルは総作画監督の修正が入っているような気がする。
*1:劇中でも、登場直前のやりとりで有栖川に「きっと可憐でおしとやかで愛らしい子」と想像されている。