法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『魔法つかいプリキュア!』第44話 モフルン大奮闘!みんな子供になっちゃった!?

ことはの正体をさぐろうと、オルーバは闇の魔法を試す。するとみらい、リコ、ことはは過去の姿として、子供に戻ってしまう。
みらいたちは子供のまま楽しんだりもしていたが、オルーバが新たに復活させたドクロクシーの手先たちが襲いかかってきた……


スマイルプリキュア!』第38話*1を思い出させる幼児化エピソード。くしくも作画監督も同じ河野宏之で、やや絵柄の癖が出ていた。
ただしプリキュアに変身しても幼児のままだった『スマイル』と違い、変身時に少し成長する『魔法つかい』はプリキュアになることで闇の魔法が解除される。きちんと変身バンクに変更を入れて解除の過程を描いたから、プリキュアにも幼児化の趣向が反映されたという満足感もある。
そして今回は幹部級ふたりを相手にすることで、この作品にしては肉弾戦の要素が強い。徒手格闘の組み立てのていねいさ、しなやかな身体の動きは、河野宏之作画回の長所が出ていた。


さて、前回の感想*2では手先が敵として復活したことに疑問を感じたが、今回に手先の温度差が描かれたことで納得できた。オルーバのいいなりになっているのは前回のスパルダだけで、バッティは戦闘に参加しないどころか復活した場所から動かず、ガメッツは強化されたプリキュアとの戦いを求めるが幼児化している姿に落胆する。
ガメッツが倒された第18話ではプリキュアへのライバル視が唐突で無理を感じたが*3、それをきちんと物語で拾いなおして葛藤を描き、それなりにキャラクターの厚みが生まれていた。戦う相手の目を見て、かつて立ちはだかった幼子と気づく展開も、実際にキュアフェリーチェの瞳がデザインレベルで独特なので説得力がある。
幼児化みらいを見て、モフルンが子供時代を思い出し、家族とのトラブルを回避しようと奮闘するドラマもコメディチックで楽しい。自身の作戦に対するオルーバの距離感も絶妙。複数の異なる心情がからみあう展開ながら、よく構成が整理されていた。鐘弘亜樹脚本には今後も注目していきたい。