オルーバからドクロクシーの本をとりかえすため、魔法学校の校長がナシマホウ界へやってくる。
偶然にドクロクシーの手先バッティと出会った校長とプリキュアは、オルーバとの戦いへ向かうが……
予告映像から祖母と校長の再会も描かれるかと思ったが、同窓会へ行った祖母の姿がクシーとの友情を思う校長の姿に重なるという構図で終わる。この抑制は好みだ。
さて本編だが、クシーがドクロクシーとなった闇の魔法まで、オルーバが復活のためばらまいた情報にすぎないという真相は良かった。デウスマスト側が闇の魔法をまったく知らないのに、怪物化能力などで互換性があった描写を説明しようとするなら、他の設定は考えにくい。その真相をオルーバが説明する時、復活が不充分になったとドクロクシー側を責める台詞があったから、奮闘するバッティがオルーバに対抗できたクライマックスの説得力も高い。
ドクロクシーの手先個々のキャラクターもけっこう良く、利己主義で本をとりかえそうとしていたスパルダから、復活はしないままドクロクシーの偶像とともにバッティを後押しするヤモーまで、あらゆる意味でオルーバの手のひらで踊っていた者たちが残された信念でオルーバにいどんでいく姿は、予想以上に熱いものがあった。
今回は熱い物語を支える映像も素晴らしく、板岡錦と思われる描線を荒らしたアクション作画や、雲海という舞台で距離感や位置関係を的確にコンテで示した平山美穂の演出など*1、クライマックスに見どころをつめこんでいた。