法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

日韓合意を元慰安婦が受けいれたという結論なら、現在のNHKでも韓国外務省の調査を事実として報じられるらしい

朴裕河氏が慰安婦支援団体と衝突した一因として、ことわりなくNHK記者をつれていった問題があることがわかった - 法華狼の日記のコメント欄で教えてもらった、NHKの報道が興味深いものだった。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160204/k10010397781000.html

韓国外務省の当局者は、反発が強い支援団体の施設などではなく、個別に暮らしている元慰安婦の女性20人とその家族に直接会って説明した結果、このうち16人が肯定的な評価をしていると明らかにしました。

生前に問題を解決しようと政府が努力してくれたなどとして、合意に肯定的な評価をしたのは16人に上りました。これに対して、日本の総理大臣による直接の謝罪が必要だなどとして、合意に否定的だったのは4人にとどまったということです。

この調査は、支援団体が元慰安婦の思想を日本批判へ誘導しているという憶測への反証ともなるはずだ。
そもそもNHK記事は「一部の元慰安婦や支援団体」が反発しているとしているが、今回調査されたのは比率でいえば登録された46人の半分以下だ。
しかしNHK記事で推測されているのは韓国政府の思惑だけ。合意の肯定を強調したいために調査にバイアスがかかる可能性にはふれていない。

韓国政府としては、一部の元慰安婦や支援団体の間で反発の声がある一方で、元慰安婦とその家族の中には合意を肯定的に受け止めている人たちもいると強調することで、韓国国民の理解を促進したい思惑があるものとみられます。


ちなみに支援団体のひとつナヌムの家は、団体としては「満足はできないが、政府に従う」という見解を出していた。
”記憶”と生きる - http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid... | Facebook

わが国の法もあり、また、世界的に法もあるのに、私たちの思いのままになるというものでもなく、いずれにせよ、政府がせっかくこのように立ち上がって今年のうちに妥結をしようとしているのですから、努力された方々のことも考え、私たちは、政府のされる通りに従います。

他方で、ナヌムの家の元慰安婦ふたりが来日し、日韓合意への批判を主張していることも報じられている。
http://www.asahi.com/articles/ASJ1V463KJ1VUTIL01V.html

昨年末に日韓両国政府が慰安婦問題の解決に向けて合意したことについて「間違った合意だ」と批判し、改めて「公式謝罪と法的賠償」を日本政府に求めた。

支援団体が元慰安婦の考えをゆがめていると批判する人々は少なくない。今回のNHK記事もそうだ。
しかし不思議なことに、ナヌムの家が元慰安婦の反発を抑圧して日韓合意に賛成したと批判している意見は、一度も見たことがない。