法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第2話 学園のプリンセス!登場キュアマーメイド!

この放送枠の伝統として、体の線が出る水着は自主規制してきたが、バレエ練習用のレオタードはいいのか。
演出は門由利子で、作画監督稲上晃。敵の怪物はドラマこそ背負っていないが、スパイクのトゲをミサイルにしたり*1、多様な攻撃でアクションを楽しくさせてくれた。キュアマーメイドの戦闘も、水中というシリーズで珍しい舞台にたよらず、きちんと反撃の方法なども総合して個性を出している。


物語展開は、妖精や怪物の存在にいちいち驚いたりと、やはりプリキュア関連を社会が認知していた前作*2と対照的。
今回の新プリキュアが優等生たる生徒会長で、それに導かれる主人公を前半で描いているから、二転三転する関係性が楽しめる。後半で主人公が変身して関係が逆転することでプリキュアの力を示し、さらに新プリキュアで関係を逆転しなおす。その要点となるのが、前半の訓練が後半の戦闘に役立つパターンかと思わせて、やりすぎが主人公のミスをさそう構成。これも古典をふまえた上での、プリキュアという戦闘ヒロインでこそ描写できる、新しい面白さ。
さらに次回、予告から判断すると新プリキュアは登場しないらしい。過去シリーズでは序盤メンバーは連続して登場することが基本だったので*3、妖精との関係を深めるらしいのは新しい展開。プリキュアコンビに年齢差があるのも初めてだ。


ただ、シリーズ初代の序盤もていねいだったが、敵の設定をあやふやにしたまま世界観が崩れていったので、まだ安心はできないか。
それに懐古的な世界観ということはわかった上で、現代で再演する意味がもっとほしい。学園の草むしりを学生がおこなったり、主人公をしかる女性教師がステレオタイプだったり、ところどころが気になった。バレエの指導で足を痛めた時、ちゃんと治療することで主人公と生徒会長の対話につなげたような正しさを、全体でも見たかったところ。

*1:爆撃されるプリキュアが画面奥から中央まっすぐ手前まで逃げてくるコンテは、門由利子のプリキュア初参加回でも見かけた構図。演出家としての癖なのかもしれない。

*2:今になって考えると、これも神ブルーの位置づけを難しくしている要素。プリキュアの力をもたらすブルーを多くの人間、少なくともプリキュアは認知しているはずなのに、そうした神が存在している社会の宗教観がはっきりしない。むろん真面目に考察すること自体が難しい領域だとわかるが、プリキュア関連の超常存在に対する社会の距離感はどこかで描いておくべきだった。神々が去った後の社会がどうなるか、そこで元プリキュアがどうあるべきか、はっきりさせるためにも。

*3:最初は変身に失敗して前後編になるようなパターンはあった。