法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『岩井俊二のMOVIEラボ』#4 ホラー編

フランケンシュタインの怪物やドラキュラや狼男がメインだった時代から、ゾンビとオカルトが登場して米国独自のホラー映画として発達し、さらに『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』からPOVが流行し、かつては怪談映画ばかりだった邦画が『女優霊』からJホラー路線を開拓。「小中理論」が完成したが、あえてそれを外した『呪怨』で清水崇監督が評価される……
そうした表現の発達史を中心に、ヨーロッパからアメリカそして日本へと恐怖の源泉を求める対象が変わっていった過程を説明した。もちろん細部に異論はあろうが、ホラー映画史の要点は押さえていたのではないだろうか。


残念なのが1分スマホ映画ロードショーで、紹介されたのは2作品のみ。その完成度も高くはない。低予算の超短編でもホラーは作りやすいだろうと期待していたが、選考者のコメントを聞くと、どうやら説明不足な作品が多かったらしい。
最初の作品は、せまい部屋と押入れを使って最近のホラー映画っぽくしあげていたが、新しいものが特にない。工夫を加えようという清水崇監督の助言は具体的で良かった。
次の作品は留学生の作品らしく、言葉のつたなさと出演者の存在感が恐怖をもりあげていたが、いくらなんでも特撮が粗すぎて、古臭い怪談映画のよう。内容もよくわからない。