法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハピネスチャージプリキュア!』第33話 わたしもなりたい!めぐみのイノセントさがし!

アンラブリー回でいったん問題視されたものの、途中で棚上げにされたキュアラブリーの自己満足な親切。それが今回、再び正面から問われる。登場人物をキュアラブリーと年上のゲスト少女にしぼることで、何が問題なのかという主題がわかりやすい。
ロケット制作協力に失敗するまでは意外さがないが、白衣をめぐる展開は意表をつかれた。ここでゲスト少女に許されつづけるからこそ、正面から挽回するすべがなくなる。
結局のところゲスト少女の器に助けられ、敵が攻めてきた流れで問題は再び棚上げにされる。それでも、結末のひとことでキュアラブリーの親切に対する考えが変わったことを示しているし、ホワイトアウトではなくブラックアウトすることで不穏さをかもしだす。何より、サブタイトルに反してキュアラブリーはイノセントフォームにならない。この問題はこれからも尾を引くということだろう。



映像面のスタッフは、越智一裕コンテに岩井隆央演出で、作画監督が河野宏之。原画を見ると、いつもの3人に加えて、原田節子が入っていた。
普段とスタックワークが違うためだろうか、予告映像で危ぶんだよりは総合的に悪くなかった。ところどころ顎の長さなどで絵柄の癖が出ていたものの、むしろゲスト少女の素材の良さが引き立つ画面が構成されていた。Bパート頭が特に良い。
プリキュアでは珍しいメカガジェットも、世界観から浮かないくらいのリアルさで作画されている。ワゴン車や成年男性の作画もいい。


10周年挨拶はキュアミューズ。本編では最も大人なキャラクターだったのに、こういう挨拶では媚びを感じさせない程度に愛らしくふるまうのが、逆説的に大人びている。