法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハピネスチャージプリキュア!』第30話 ファントムの秘策!もう一人のキュアラブリー!

敵首領クイーンミラージュに未練をもっている神ブルー。
ふたりの仲をとりもどすにはどうすればいいか、そして新アイテムが発動するにはどうするべきか、プリキュアは悩む。
そこに敵幹部の少年ファントムがやってきて、キュアラブリーから影をうばい、アンラブリーへと変身する。
朝日放送テレビ|ハピネスチャージプリキュア!|ストーリー|第30話 ファントムの秘策!もう一人のキュアラブリー!

するとファントムは、真っ黒ないしょうを着た
ラブリーそっくりの女の子、アンラブリーに変身するの!

一週間前から公式サイトで公開されて一部で話題騒然となっていた、少年のプリキュア化。ファントムもクイーンミラージュと同じくプリキュアだったという可能性を考えていたが、あくまで敵の一部を借りて変身した。体型は中性的で、ラブリーと同じ声優が低い声で演じる。
けっこうファントム姿での戦闘が長かったので、アンラブリー姿は短いかと思いきや、時間いっぱい使ってキュアラブリーと1対1で論争しながら戦う。アンラブリー自体の驚きに隠れているが、キュアラブリーが他者への奉仕を内面化しているという指摘はいいところをついている。


さてこれはジェンダー越境プリキュアの試みと考えていいのかどうか*1
プリキュアは名前に「キュア」が付かない、もしくはアンチであることを示すため「プリキュア」全てが名前に入ることから、設定としてプリキュアあつかいではないとは思う。他方で、いかにもプリキュアなイメージの存在に少年が変身したという描写であることもたしかだ。
しかも今回で浄化されてしまったためか、ファントムは次回にプリキュアの世話になるという。この変身方法は他のプリキュアでも使えそうだし、しかし制約も大きそうである。さて次回、ファントムの立場がどうなるか、楽しみではある。


しかし後を引くかどうかわからないアンラブリーのデザインは良かったのに、新アイテムアクシアを使った強化はビジュアルが悪くて残念だった。もともと化粧をしていない状態で完成されたキャラクターデザインに、化粧の記号だけ乗せても美しく見えない。化粧した3DCGでのダンス攻撃のように、色指定から目鼻立ちまで慎重にバランスをとってほしかった。バンクにしては作画そのものも良くない。
本編の作画も、全体的に粗かった。良いアニメーターが担当したらしきアクションで突発的に良くなるが、いつもの外注回らしく作画監督が3人もいて、かなり不安定なしあがり。
しかし筆坂明規演出のアクションは、あえて上下を崩した空中戦の自由度と、建造物を利用した移動表現で、うまく作画の不安定さを目立たさせずに楽しませてくれた。


10周年挨拶はミルキィローズ。後発キャラのため変身バンクや必殺技バンクがつらかったが、わりと本編では安定していたキャラクター。良くも悪くも引っかかりがなかった。

*1:乙武洋匡氏のツイートを批判したエントリを思い出した。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20120205/1328460546