19世紀末の大英帝国を舞台とした、ゴシックホラーブラックコメディ人情劇『黒執事』。あくまでも執事という立場のパートナーと、とある貴族の少年がコントをくりひろげつつ、さまざまな事件を調べて、つきはなすように解決していく。
その第1期TVアニメ第22話「その執事、解消」で、パリ万博が戦いの舞台となっている。そこで開催内容についての長い説明で「第二会場のアンバリットでは植民地博が開かれています。その内容は、アンコール遺跡の再現、民族舞踊、人間動物園……」と言及されていた。
あくまで軽く言及されただけで画面に登場すらしない。しかし豆知識としての意味しかなかったかというと、そういうわけでもない。ちょうど終盤に入って、主人公の少年が家業で守っていた大英帝国が、植民地政策によって成立している問題がつきつけられていたのだ。日本が開催したわけではないが、主人公側の正当性に疑問をつける描写のひとつであったことに間違いはない。
この第22話がTV放映されたのは2009年3月のこと。『NHKスペシャル』のシリーズ 「JAPANデビュー」第1回「アジアの“一等国”」が放映される、わずか1月ほど前のことだった。
「人間動物園」で踊る「黒いヴィーナス」が踊る - 法華狼の日記
