法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『のび太としずかが結婚!? 年忘れだよ! ドラえもん1時間スペシャル』エイコーノトビラ/おだてジョーズ/雪山のロマンス

タイトル通り、今年末の1時間SP。中途半端な時間に放映するくらいなら、なんとか大晦日にも放送枠が確保できそうに思えるのだが。
番組そのものは、てがたいつくりで楽しめた。アニメは全て新作で、ミニコーナーも面白い趣向。


「エイコーノトビラ」はアニメオリジナル。秘密道具の中に入り、願いをかなえるまで特訓するというエピソード。まるで原作に登場する室内業務向けの秘密道具「カンヅメカン」か、『ドラゴンボール』に出てくる「精神と時の部屋」のようだが、比べると装飾過多なデザイン。
師匠キャラクターが特訓を強要する設定は「仙人らくらくコース」か。こちらはジャイアンをからめてアニメ独自の展開と結末を見せて、まあまあ悪くなかった。


「おだてジョーズ」もアニメオリジナル。鮫型の頭巾をかぶると、おだて上手になって相手を誘導できるという秘密道具。詭弁で扇動する「腹話術ロボット」に似た秘密道具だ。
こちらも原作の似たような展開をトレースしたような作り。しかし途中で出会った自信のない若者が良いアクセントになっていて、ちょっとしたサスペンス展開も楽しめた。


「雪山のロマンス」は原作をふくらませて中編化。結婚できるかどうかで自信喪失したのび太が、雪山で遭難した未来のしずちゃんを救いに時間を超え、ついでに結婚のきっかけにしようともくろむ。
原作では空回り描写が延々とつづく、痛々しいくらいのギャグコメディ回なのだが、今回のアニメ化ではロマンス色が強くなっている。救おうとしているのび太の努力を、しずちゃんが評価しているかのような間がところどころあって、無理なくロマンティックな雰囲気をつくりだしていた。
原作では出てこない友人も無理のない範囲で登場。ドラえもんが手助けしなかった経緯を説明することで、のび太たちが雪山で身動きできなくなった説得力を高める。さらに未来ののび太も駄目なだけではないと示し、しずちゃんの決断に説得力を増やす。
やはりSP回らしく水野宗徳脚本かと思いきや、全話が清水東脚本だった。こういう手堅いアレンジができるとは、良い意味で意外だった。


3DCG映画『STAND BY ME ドラえもん』の「未完成試写会」と称して、著名人に見せるコーナーもあり。著名人のコメント内容はあたりさわりないが、メイキング中の映像をいくつか見ることができた。
どうやら「雪山のロマンス」をとりいれて、恋愛要素も入っているらしい。今回のSPでアニメ化されたのは映画宣伝をかねてのようだ。


そして来年の映画宣伝のため、お笑いコンビのCOWCOWが登場。さらにミニコーナー「あたりまえドラえもん」で芸を披露。
http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/mini/2014/0001/index.html

芸そのものの完成度はさておき、実写のCOWCOWと手描きのドラえもんがからんでいる映像が面白い。ネズミがいると騙されて、ドラえもんCOWCOWの1人に抱きついたりしていた。
実写のなめらかな動きにあわせて、ドラえもんがディズニーのようなフルアニメで作画され、あまり見ないアニメーションになっていたところも珍しい。