法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

擬人化軍艦を戦わせるオンラインゲーム「艦これ」で自虐史観が矯正される、と期待している人がいる

もちろん、誰でも自由に発言できるインターネットにおいて、さまざまな主張に困惑させられることは少なくない。
しかしネットメディアとはいえ、仮にも商業媒体の「アゴラ」で堂々と主張されては面食らう。しかも筆者名は「アゴラ編集部」になっており、コラムニスト個人の見解と考えることもできない。
「艦これ」は自虐史観を矯正するか – アゴラ

日本人は「自虐史観」などと言われて久しいんだが、オンラインゲーム『艦隊これくしょん〜艦これ〜』によって、戦前の日本が世界に冠たる大艦隊を持っていたことを知る若い人が増えているようです。

自虐史観」と好んで呼んでいるのは、たいてい日本人自身だったように思うが。

世界最大の戦艦大和からそうそうたる正規空母群、当時最先端の重巡、何十隻にもおよぶ軽巡駆逐艦群など、旧日本海軍の陣容は、まさに世界でもトップ3の一角をになうものでした。もちろん戦争は否定されるべきなんだが、日本人ならばこうした歴史的な事実は事実として知っておいたほうがいい。おそらく米国は今でも当時の日本を脅威に感じているはず。実際、太平洋戦争は最後は圧倒的な力量差で負けたが、途中まではどうなるか微妙でした。

本題とは関係ないが、ですます調で書く時は「久しいんだが」ではなく「久しいのですが」とするべきではないか。
そして本題の自虐史観についても、表現が全体として粗雑だ。少なくとも現代に「途中まではどうなるか微妙」などと主張している書き手こそ、まず日本史の勉強をやりなおすべきではないか。
エピソードを学習のきっかけに利用することは個人的に否定したくないが、客観的に学習すればこそ「世界最大の戦艦」について否定的な見解を無視するわけにはいかないし、米国の圧倒的な国力を印象づける「週刊空母」のような言葉だけ都合よく耳をふさぐこともできまい。


なお、私自身は「艦隊これくしょん〜艦これ〜」を全く遊んでおらず、ユーザーの感想や二次創作をいくつか見たくらいの情報しか持っていない。エントリで書いた内容は、あくまで歴史を題材にした物語や遊戯についての一般論ということは断っておく。
ただ、ゲームとして成立させるため日本有利に状況をいじっているはずなのに、いくつかの戦場で苦戦している感想を見るにつけ、「米国は今でも当時の日本を脅威に感じているはず」みたいに夜郎自大な心情をいだく艦これユーザーは珍しいように思う。