法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』おバカなお金持ち&貧乏脱出SP

印象に残ったのは、北朝鮮から脱出する人々を、子供を主軸にして追っていく韓国ドキュメンタリー。細部のルートや出入国は隠しつつ、緊迫感ある国境越えを映していく。主として目的にするのは、難民を広く受け入れているタイ。そこで立場を確保し、韓国へ移住していくという手続きをとるようだ。朝鮮からタイへ陸路で移動するのは、とてつもない困難がつきまとう。
途中の国で韓国大使館へ助けを求めると、手続きが煩雑になるため留め置かれるといった、脱北手段の選択肢それぞれに制約がつきまとうことも描かれた。


そして見ていて感じたのは、日本は脱北者を、ちゃんと受け入れる気持ちがあるかということ。北朝鮮に限らず、難民の受け入れに消極的であることは、もちろん知っているが。
日本政府はさまざまな北朝鮮の政策を批判している建前になっている。しかし、そのように北朝鮮の独裁体制が問題だというなら、虐げられている人々が助けを求めた時に手をさしのべる意志はあるのだろうか。在日朝鮮人に対する政策や、朝鮮学校無償化をめぐる騒動を見るにつけ、朝鮮半島にかかわる全てを穢れとみなして遠ざけようとしているだけではないのか。
北朝鮮の社会からはじきだされ、脱出のため苦難の道をたどる少年の姿を見て、そう感じた。