法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『聖闘士星矢Ω』第 46 話 光牙とエデン!若き小宇宙よ闇を討て!

まさかの魚座大勝利。


先週の感想エントリで書き忘れていたが、エデンが原作のフェニックスと似ていることも、マルスと城戸光政が似ていると感じた一因。そして光牙も赤ん坊のころにマルスから引き離されて育てられたわけで、これも父子の関係といえる。
つまり今回、エデンと光牙が協力してマルスと戦う展開は、城戸光政が息子達を聖闘士として育ててアテナへささげたという原作マンガの導入部に対し、擬似的な結末を与えようとしている、ということなのかもしれない。


そして今回、ついにマルスとの決着がつく。
エデンが命がけでマルスの正気をとりもどし、その隙をついて光牙が倒す。家族の幸福を求めて、安寧な社会を作ろうとしながら、家族をことごとく犠牲にしてきたマルスは、いわばパターナリスティックの権化だ。たとえ寸前に正気を取り戻したとしても、息子に倒される道しかなかったのだろう。
それでも、人の姿を失いながら、正気を取り戻した後に力をふりしぼって贖罪しようとする姿は美しかった。そしてそれゆれに、娘の杖へたどりつけなかったマルスの最期も、より印象深かった。


コンテは貝澤幸男で、作画監督は荒木プロの市川慶一。今作品のスタッフでは、最も荒木伸吾の仕事を思い出させる仕事をしている2人だ。
過去の登板では作画が弱いことが多くて、旧作のようにゆがませたレイアウトが下手なだけと感じさせがちだった貝澤演出だが、本当に見せたかった映像を見られたという感動があった。
作画も尻上がりに向上していき、特にBパートは芝居もアクションも充実していた。ひとつの決戦が終わったと満足できるだけの内容にはなっていた。