フラッシュモブなどのドッキリ番組や、プリンセスがお忍びでイギリス旅行して恋愛する番組を紹介。
アフリカから来たプリンセスは、スーパーで一目ぼれした恋人を他国の王家と対外的に偽って紹介し、現地のTV番組で恋人が首相と会見する羽目になったり。たかがイギリスのTV番組企画が、かなりの政治スキャンダルを作り出してしまった。
最も興味深かったというか、ゲストとして呼ばれたコメンテーターに驚いたのが、社長がお忍びで自社末端の仕事を経験する特集だ。
世界まる見え！テレビ特捜部｜日本テレビ
【オーストラリア発 実は私「社長」なんです！】
あなたは、自分の会社の社長の顔わかりますか？もしあなたの横にいるおじさんが社長だったら？そうこの番組は、社長という身分を隠し、自らが社長を務める会社に潜入入社！スーツを作業着に着替え、一社員として働きながら、会社を動かす陰の英雄たちの行動を観察。普段、目にすることのない真実の姿を知った社長がとった行動は？そして彼が社長だと知らされた社員たちの反応は？
社長は変装して長距離列車に乗りこみ、現場の肉体労働を体験していく。荷物の搬出が人数不足のため手際が悪かったり、食材数が足りないことに苦労する料理人の意見を聞いたり。ベトナム戦争から逃れるためオーストラリアにわたり、列車内の狭い厨房で手際よく作業し、変装した社長が自社社長に似ていると気づくベトナム出身の料理人は、番組内容とは独立して興味深い存在だった。最後に社長は重役会議を開き、各重役にも同様の体験をするように命じたり、荷物の搬出を2チーム体制に変更したりする。
そして問題のゲストコメンテーターは、ワタミの渡邉美樹社長だった。登場した時から微笑みを浮かべ続け、紹介された番組を無邪気に賞揚する。同じ番組を見た所ジョージらが、重役にも同様の経験を押しつけるところは問題ではないかと軽く批判したことに対しては、自分も同じように現場で働いたりしていると擁護する。さらに、顔が知られていない時代には、店長になればいいと客から賞賛された経験を嬉しげに語る。あくまで社長という上下関係を保ったままの職場体験にすぎないという自制は見られない。渡邉社長が無邪気さを発揮し、番組のレギュラー陣が留保し、紹介された番組を全肯定はしない雰囲気が流れていた。結果的にせよ、興味深かった。
