法華狼の日記

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『ドラえもん』が母国語習得をさまたげるとして、バングラデシュで放映禁止の危機

AFP通信が伝えていた。
「ドラえもん」が放送禁止に、母国語習得に悪影響 バングラデシュ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【2月18日 AFP】バングラデシュで、日本のアニメ「ドラえもん」のテレビ放映が禁止された。番組がヒンディー語版で放映されており、子供たちの母国語のベンガル語習得がおろそかになる恐れがあるためという。

 ハサヌル・ハク・イヌ(Hasanul Haque Inu)情報相は14日の議会で、同国内での「ドラえもん」放映禁止を関係放送局に公式に通達したことを明らかにし、「政府は『ドラえもん』が子供たちの教育に支障をきたすことを望んでいない」と説明した。

 禁止に先立って複数の地元紙は、「ドラえもん」を熱心に視聴する子供たちがベンガル語ではなくヒンディー語で会話をしている点に懸念を表明し、番組の放送禁止を呼び掛けていた。また、与党議員からも、海外のアニメ作品の放映に際してはベンガル語版だけを認可するよう求める声が出ていた。

 バングラデシュでは衛星放送を通じて隣国インドのヒンディー語の番組が視聴でき、国内の数百万世帯でベンガル語の番組より人気が高い傾向があることから、自国の文化に影響が出かねないとして政府が非常に神経をとがらせている。

 ドラえもんは2008年、日本文化を海外に広める役割を担う外務省の「アニメ文化大使」の初代大使に任命されている。(c)AFP

政府が放送局に通達し、その前にも地元紙が放送禁止を呼びかけているというのは、表現の自由に介入しすぎではないか、という懸念をもたざるをえない。
しかし『ドラえもん』の内容に問題があるというよりは、ヒンディー語に翻訳されているため、母国語習得に悪影響を与えかねない、という話ではある。実際、記事中ではインドで放送している番組を視聴する問題が指摘されており、『ドラえもん』だけの問題でないことはわかる。欧米でこそ進出に失敗したが、東南アジアでは広く人気を集めている『ドラえもん』。だからこそ、結果として槍玉にあがったということか。