法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スマイルプリキュア!』第43話 れいかの道!私、留学します!!

田中裕太演出、小島影作画監督。全体的に可愛らしい絵柄だが、プリキュアたちが泣き出すクライマックスの描線は力強く、アクションはしっかりした殺陣で動かしていた。
演出面では、イマジナリーラインを越えてでもキャラクターの視線を合わせないカット割り、青木だけを切り取った構図の多様が印象的。カーブミラーを使った演出など、かつての細田守演出を思わせる。異世界では、敵の策略もあって、舞台装置が心象を強調する。これは演出が意図的すぎて、ちょっと好みにあわなかった。


物語についていうと、プリキュア活動と衝突する青木の夢としてロンドン留学が出てきたのが、ちょっと唐突か。両親がロンドンに住んでいて、一緒に生活したいと以前から語っていたりすれば、まだ納得できたかな。
敵が欲をかきすぎて失敗するパターンも、あまり好きではない。精神的な打撃を与える目的そのものは成功していたので、他のプリキュアがやってきたのはジョーカーが意図していなかったことと描写すれば、逆に臨機応変に対応できた敵の恐ろしさが増したと思うが。
今回を高評価する視聴者が多いだろうことはわかるが、好みから外れている部分が多くて、個人的には残念な感想。これまでギャグとして使われてきた「道」というキャラクターモチーフを、さまざまな道を肯定するレトリックに結びつけ、クライマックス逆転したのは良かったのだが。