法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

暇な空白氏の活動を弁護士の神原元氏が記者会見で「リーガルハラスメント」などと論評したことに対しても、裁判所が真実性を認めたばかりだよ

 まだ地裁の段階とはいえ、すべての争点で神原氏の適法性が認められただけでなく、多くの論点で真実性も認められている。
暇空茜氏のインターネット投稿に11のデマを認定した裁判勝訴! - 武蔵小杉合同法律事務所

2024年9月26日、東京地方裁判所は、暇空茜(水原)氏が神原弁護士を訴えた裁判の判決で、暇空氏の投稿に11個のデマを認定して、暇空氏の請求を棄却しました。


この判決は、暇空氏が一般社団法人Colaboの関係者に対して、
意図的に、相当程度の精神的苦痛を与えているという事実は真実、
情報発信の動機が女性に対する差別意識や嫌悪に基づくことは真実相当、
一般社団法人Colaboの関係者に対し、精神的苦痛を与える目的をもって東京都に対する情報開示請求及び住民監査請求を行ったことも真実、
暇空氏による情報開示請求及び住民監査請求が「権利濫用」との指摘も意見論評の範囲で適法とされました。

 ざっと判決を読んでも、神原氏の主張の正当性がほとんど認められている。暇空茜こと暇な空白氏*1の攻撃と単純に相殺しただけとか、ただの論評だから許容されただけとか、そういう判決ではないのだ*2
http://www.mklo.org/mklo/wp-content/uploads/2024/09/23741de4521936ade9ab8721273192fd.pdf
 2022年11月29日の記者会見*3の時点で、暇な空白氏に対するColaboの反撃に一定の正当性があったと裁判で認められたことは理解するべきだろう。しかも情報開示請求や住民監査請求が精神的苦痛をあたえる目的でおこなわれたことも真実と認められている。それゆえ「リーガルハラスメント」という表現も、暇な空白氏の社会的評価を低下させるが、重要な部分が真実なので不当ではないと認められたわけだ*4
 つまり監査結果の後から暇な空白氏が正当性を失うふるまいをしたわけではない。監査請求の結果が出る前から、そして監査請求そのものにおいても、暇な空白氏はおおやけに批判されてもしかたがなかったと裁判所が認めたわけだ。
 とりあえず暇な空白氏は控訴するようだし、一部の判断が変わる可能性がないわけではないが、全面的にくつがえすのは難しいだろう。暇な空白氏による12の主張のうち11が真実ではないと認められたのだから*5、一部がくつがえったとしても、暇な空白氏がColaboへ不当な攻撃を複数おこなっていたことはかわらない。


 この神原氏の勝訴をふまえると、現在でも妥当と認められている範囲のみ暇な空白氏の妥当性を主張しつづけたかのように自認している人々が、しばしば実際にはそうではなかったことがわかりやすい。
 たとえば過去の興奮を反省したと自称する匿名ダイアリーに対する反応を見ていると、批判すべきことを批判してきたかのようにid:kotobuki_84氏が自認していた。
[B! 暇空茜] Colabo・暇空問題で人間不信になった件

kotobuki_84 僕は仁藤夢乃の男叩き活動を叩いたし、Colaboも沖縄に動員した件とかで叩いたけど、暇空も叩いた(仲間と思ってた奴らがカンパしてて悲しかった)ので「草津叩きクソフェミは暇アノンと差が無い」とか言う資格がある。

 しかし約1年前には初動が記者会見であったかのような誤認にもとづき*6、記者会見そのものも主張内容も不当であったかのように表現していた。
[B! 仁藤夢乃] 形式的に「当たり前の権利は保障されるべきとして暇空茜を支持する」というなら、「当たり前の権利は保障されるべきとして仁藤夢乃を支持する」ともいえるよね - 法華狼の日記

kotobuki_84 弁護士ゾロゾロ並べて、背後に議員の存在も匂わせて、相手をハラスメント呼ばわりした仁藤夢乃さんたちの初動は、つまり「暇空のムーブは『当たり前の権利』などでは無い」という主張なので、もうそこからズレてる。

 上記コメントは「暇空のムーブ」から批判するべきふるまいを言外に除外する詭弁にすぎないが、さらに神原氏の勝訴で暇な空白氏の監査請求が制度濫用という評価すら不当ではないと認められたわけだ*7
 他にも上記の匿名ダイアリーに対しては、記者会見の「リーガルハラスメント」が特異な表現であるかのように評して*8、早々に問題が発覚している東京都の管理体制を賞賛するid:turanukimaru氏などがいる。

turanukimaru 都の管理体制は是正されたし、リーガルハラスメントなる名言も見物できたし、嫌がらせで始まった割には得るものが多かったと言えるのではなかろうか。増田はどんな結末なら納得がいったんだ?関係者の自殺とか?

 id:yujimi-daifuku-2222氏などは、仁藤氏が室井氏に対して数々の暴言をおこなったかのように主張し、温泉むすめ批判が話をそらすためであったかのような古い陰謀論*9をとなえている。

yujimi-daifuku-2222 ふむ。つまりcolaboを擁護した人間はシリーズキモいおじさんも、室井佑月氏への暴言の数々も、そこから話を逸らす為、温泉むすめを叩く中で発せられた犯罪と地続き発言も全て擁護しなくてはいけないと?

 まさに「嫌がらせ」や「失墜すればいいな」という目的で暇な空白氏を支持していたかのように語るid:sairentotero氏やid:UCs氏もいる。さすがにあけすけすぎて心配になるが。

sairentotero 最初から疑ってたし、金持ってる人に寄付するのも気乗りしなかったが、仁藤に対して積み上がった金額でNOを突きつけたかったので数百円募金した。その分は働いたと評価していいだろう。とうにブロックされてるけど

UCs 基本的に二人共よくわからないし、colabo問題はもっとわからないから、どーでもいい。ただ、仁藤は言いがかりの炎上で火をつけに行く人なので嫌い。その人が失墜すればいいなと思ったので暇空を応援はしてた。


 Colaboが記者会見した時点では判断材料をもたず、よく調べず周囲に同調して暇な空白氏を安易に支持したり、根拠のない自信にあふれる態度を信用してしまうのも人間としてしかたないのかもしれない。
 しかし当時なりに妥当な判断ができていたと自認するなら、当時にどこまで判断することができたかは理解するべきだし、当時の争点がどのようなものだったかを偽るべきではない。
 そもそも仁藤氏やColaboが会計にいっさいミスがないと主張していたことはないし*10、逆に私などは慈善活動を利用した犯罪などの事例も意識的に言及してきた。
 実際に記者会見の少し前に暇な空白氏が主張したのは、仁藤氏が嘘つきで横領や詐欺をおこなっているという断定だった。返金の必要すらない軽微な会計のミスの有無が重要な争点だった記憶はない。


俺は「それが真実であるという証拠」を持ち、「公益性が高い」ので「共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さんは嘘つきで横領で詐欺師」だと言ってます

さて反論は?ここまで言われて反論しないのはちょっと筋が通りませんよねえ?

*1:はてなアカウントはid:kuuhaku2

*2:ちなみに「サイバーハラスメント」という表現などは意見論評ではなく事実の適示であることには争いがなかったという。判決文ノンブル14~15頁。

*3:Colaboは複数回の記者会見をおこなっているが、このエントリにおける記者会見は、この時のものを指す。

*4:判決文ノンブル51~52頁。

*5:ひとつだけ認められていない争点も真実や真実と思いこんでもしかたがないと認められたわけではない。Colaboの社会的評価をさげないと裁判所が判断したため、真実かどうかの判断まで進まなかったのだ。判決文ノンブル39~40頁。

*6:現実には、仁藤氏の「初動」はツイッターで流されたデマへ反論するツイートだった。仁藤夢乃氏の支援団体Colaboがバスカフェで提供している食品が一食2600円という計算は、さまざまな意味で誤っている - 法華狼の日記

*7:なお、私自身は制度の濫用が結果的に良い結果を生みだすこと自体もあるとは思っているし、実際は記者会見でも暇な空白氏の監査請求も全否定されてはいなかった。

*8:ちなみに国立国会図書館デジタルコレクションで検索すると、経済分野における他国との衝突などで複数回の使用が確認できる。 検索結果 - 国立国会図書館デジタルコレクション

*9:室井氏に米山隆一氏の性処理を期待するかのような論理をつかった第三者に対して、女性は性欲処理機ではないと否定したツイートが、あたかも室井氏への暴言であるかのように誤読されていたことは知っている。一応、被害の存在を指摘することが被害者の自尊心を傷つけるようなこともありうるし、その前提として仁藤氏は室井氏の夫を批判していたわけだが、少なくとも室井氏への「暴言」とは異なると解するべきだろう。

*10:記者会見でも太田啓子氏が「団体の運営して れば誰でもたまにはやってしまうような軽微なミス」があったこと自体は認めている。書き起こしのノンブル18頁。 https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2023/01/cee5ab6bd71bcd6ccd475b2973624268.pdf