いさんで飛び出したツバサだが、やはり飛ぶことはできない。一方、拉致されたエルを救おうとキュアスカイとキュアリズムは技を工夫して高空の敵にたどりつこうとするが……
金月龍之介シリーズ構成の脚本で、シリーズ初のレギュラー男性プリキュアの変身を描く。飛翔するキュアウィングの高揚感、カットを割らずにカメラワークをつけた飛行描写は解放感があった。
いずれプリキュアに加入することが明かされている聖が跳躍する方法をアドバイスしたり、プリキュアに変身しなくても誰かを救おうとたがいに助けあう展開の多さも、ヒーローテーマの物語らしい。
演出の篠原花奈は東映の若手。あまり才気ほとばしる映像とは思わなかったが、重要エピソードの後編をわかりやすく映像化できていたとは思う。プリキュアが落下してビルの屋上がくぼんだりと、戦闘で地形が変化する描写が多いところが目についたが、基本的に落下による衝撃で破壊されていることから、人体の重さを実感的に表現する意図だろう。
ただ、破壊に巻きこまないためもあってか、群衆がいっさい登場せず、敵も味方も同じキャラクターで話をまわしているため、作品世界がせまく感じられるところが難。ここまで各話ゲストキャラクターが少ないシリーズも珍しい。