法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』踊らにゃソンソンシューズ/ドラえもんに恋したタヌキ

今回は前後半ともにアニメオリジナル。どちらもネタのあつかいに藤子F作品らしさがあったので、アレンジをくわえた原作回よりも『ドラえもん』らしいと感じた。
この時期らしく、来年の劇場作品にスタッフを取られているため、それぞれ総監督と監督がコンテを手がけている。演出は今井一暁


Aパートは、履くことで巧みなダンスを踊ることができるシューズが登場。もともとはのび太ジャイアンたちと巧くダンスを踊るために出した秘密道具だが、誤ってパパが履いてしまう。
パパがひどいめにあうという原作によくあるパターンを、ダンス作画に力を入れてアニメとして魅力的に展開。善聡一郎コンテに三輪修作画監督という布陣で、さまざまな種類のダンスをそれらしく動かしてみせていた。
取引先の社長がダンスを巧くなりたがっていたという一段目のオチから、ジャイアンがダンスを求めていた真意が明かされる二段目のオチまで、展開は予想の範囲内に終始するが、肩のこらない娯楽回としては悪くなかったかな。


Bパートは、裏山のタヌキを助けたことで、ドラえもんが好意を向けられてしまう。秘密道具「ドロン葉」を実際にタヌキが使用するのは、アニメ原作あわせて初めてかもしれない。
野生のタヌキを餌付けすることは良くないとドラえもんが台詞で明言した序盤、タヌキの一方的な好意が迷惑になる中盤、ドラえもんの恋路を助けてタヌキが野生に帰る終盤……少しせつない擬人化ラブコメを通して、きちんと野生と人間の距離感が描かれていた。
楠葉宏三コンテで、そつなく映像もまとまっていた。


のび太のひみつ道具博物館』の新しい予告映像も公開。
予告ではラストカットに複数のキャラクターを映して、この中に怪盗がいる?!的にあおっていた。だが、しばしば予告と本編の方向性が異なるものなので、あまり内容については予想しにくい。ただ、怪盗がマスクで顔を隠していることは確かなようで、いかにもオリジナルアニメ的な設定とは感じられた。アニメ映画版の『のび太とアニマル惑星』を思い起こさせる。
それでもって、今年の大晦日SPは今年度の映画『のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜』を放映とのこと。一年足らずでの放映は早いように感じるが、思い返せば以前は同年の10月くらいに地上波放映していたか。