法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

物語が逆なでするもの

id:K_NATSUBA氏がツイートしていたことで思いついたこと。

映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』からの劣化自己模倣、というところが過去作品を評価しているアニメファンの神経をさらに逆なでしているのではないか。
特に『時をかける少女』くらいしか意識していない一般層が賞賛するのは、『ぼくらのウォーゲーム!』から引用して引き伸ばしたような場面ばかり。栄の死は初見では印象深かったが、よく考えると演出としてはウォーグレイモンとメタルガルルモンが大敗した場面そのまま。


「好きの反対は無関心」という言葉もあるように、インターネットでは過去に細田作品を高評価した人ほど『サマーウォーズ』へ落胆しているように思う。
このあたりを象徴していると感じるのが、公開前に必要な「リビルド」として期待を寄せたファンの、公開後の感想。
日本の夏。『サマーウォーズ』の夏。 < 『ぼくらのウォーゲーム』再構築(リビルド)の価値は >

時かけ』を経て、次回作のチャンスを得た細田さんが選んだのが、ほかでもない『ぼくらのウォーゲーム【リビルド】』なのは圧倒的に正しいと思う。
今必要なのは、劇場版『デジモン』よりも(さらにいえば『時かけ』よりも)、広く、遠くまで届く『ぼくらのウォーゲーム』だ。
金曜ロードショーで放映できる『ぼくらのウォーゲーム』だ。

サマー"ウォーズ"バケーション <田舎で見た、映画『サマーウォーズ』鑑賞メモ>

劇場には、お盆ということもあってか、家族連れの姿も多かったし、アニメをパチンコの液晶でしか見ていないような地元の友人も楽しい映画として、面白がってくれた。


公開前に、あんな記事を書くほどに期待と心配をしてたわけだから、私もとてもうれしい。


なのに、なぜ、こんなにも、もやもやサマー(ウォー)ズなんだろう。
純粋に私自身の体験としてはどうなんだ、と言われたら、それが、その、正直に告白して、びっくりするほど、テンションが上がらなくて困った、という他ない。


ただ、映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』で絶賛された後、評価された要素を自己批判しつつ娯楽性を抜いたオリジナル映画『河童のクゥと夏休み』を手がけた原恵一監督より、商業映画監督として正解だったのかもしれない、とは思う。
予告映像の東京タワーが、愛すべき家族像が、まさか全て意図的な肩透かしで終わらされるとは予想外だった。