法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『うた∽かた』雑多な感想

バンダイチャンネルの無料キャンペーンで、時間が残ったもののシリーズ作品を視聴できるほどではなかった時、未放映の第13話も配信されていることに気づいて視聴。
主人公は変身するが、戦ったり救ったりするためでなく、観察するためというところが独特。その結果として、画面が派手で出来事が激しいわりに、娯楽作品としては地味な印象の作品だった。
2004年の作品で、キャラクター作画は現在に見ても安定して整っているが*1、やはり記憶通り動きが少ない。あまり動かないので、各話で異なるデザイナーが手がけた変身衣装も、本編よりED映像の変化として印象に残った。


放映当時に視聴して印象に残った場面も見返していったが、やはり主人公の友人である多岐川皐月と篁蛍子の顛末はTVアニメとして斬新。男への恋愛をめぐって仲が決裂したかと思えば、その男がクズと数話後に判明し、元親友から恋人*2になるという大どんでん返し。
多岐川の男性恐怖症が義父に暴行されたためという描写など、同性愛になったことへ原因を求めるような、美化と裏腹の差別が読み取れる危険性もないではない。しかし、主人公周辺では背景がないまま*3同性でキスをかわすので、あくまで大人に傷つけられ振り回される子供達と読むべきだろう。
しばしの再会を描く後日談の第13話を見ても、少女同士の関係より青年同士の関係が落ち着いており、極自然なパートナー描写に見えて、心地よかった。不自然さを魅力として演出するのではなく、自然なものとして多様な恋愛を描くTVアニメがもっと増えてもいい。

*1:5年もたつと、作画が安定していると思ったTVアニメでも、作画監督ごとのブレがわかりやすくなる。

*2:明言はされていないにしても。

*3:超常的な存在が相手ではあるが、アニメ作品としては人格が独立した人物として珍しくない程度の設定。