流布されているコピペは下記のとおり。具体的な情報源とはなりえない2ちゃんねるコピペだが、けっこう流通している。
特に下記パターンのコピペは、確認できる最も古いパターンの「399 名前:可愛い奥様[] 投稿日:2012/03/04(日) 12:05:43.69 id:WURIOVB10」より新しく書き込まれたものでありながら、引用や転載という提示がなく、極めて悪質だ。
在日強制退去、南朝鮮とも国交断絶したい - SAKURAの日記
162 名前:名無しさん@12周年[] 投稿日:2012/03/05(月) 19:08:55.19 id:ECsLikPVO
最近、在日の犯罪のニュースを見ない日が無いほど、在日犯罪が増えてると感じてたけど
親族に警察官がいる人から、信じられない話しを聞いた。
今年から兵役義務化された在日の兵役逃れなんだって。
どういう事かというと、罪を犯して収監などで法的に身柄を拘束されている場合
服役待機といって、一種の兵役猶予状態になって兵役が執行されないんだって。
で、ここがミソなんだけど、実際のところ外国なので逃げちゃえば逃げ切れることも可能らしいのだけど、
その兵役逃れだと財産が没収されるとのこと、没収は自分だけでなく家族にも及ぶみたい。
しかし、服役待機だと仕方なく兵役出来ないってことなので財産が没収されずに済むらしい。
刑期中は服役状態で兵役の心配ナシ
出所してもまた兵役調査で引っ掛かるまでは普通に暮らせるんだって
それを兵役対象である年齢を過ぎるまで繰り返して兵役逃れをするつもりみたい
こんなんじゃ兵役対象の在日が増える度に、在日犯罪が増加の一途を辿るのは目に見えてる
真剣に在日強制送還を考えないと取り返しのつかない事になるよ
いきなり報道量と犯罪増加を体感で結びつけており、犯罪率にまつわる誤解の典型を見る気分。凶悪な少年犯罪が増加しているといった誤解も、体感と現実の齟齬から生まれている。
次に根拠となっている「親族に警察官がいる人から、信じられない話しを聞いた」だが、よく読むと警察官から聞いたわけですらない。「友達の友達」から聞いたという、これもまた都市伝説の典型だ。しかも警察官が実際に在日犯罪にくわしい立場かもはっきりとしないし、その警察官から親族が説明を受けたのかどうかもはっきりしない。
何より、兵役逃れのために刑務所に何度も入るという理屈が、あまりにも転倒している。仮定としては、刑務所より兵役が苦痛という思想を持つ人間もいるかもしれないが*1、それで実際に犯罪を起こすような人間がどれだけいるだろうか。
そもそも、動機として設定されている2012年から施行されたという在日の兵役義務自体が、都市伝説のようなものである。
この都市伝説自体が2009年以前から流れていた。今回のコピペは、過去の都市伝説を延長したものだと考えていいだろう。
http://snowdrop.iza.ne.jp/blog/entry/1381409/
2012年在日韓国人に徴兵義務強制拒否すれば財産没収(正式決定済み事項 【OKWAVE】
こうした都市伝説に対しては、法務事務所のサイトではっきり批判的な見解が書かれていた。
帰化コラム - 在日韓国人の徴兵制度について
最近インターネットを見ていると、「2012年から法律が変わって、在日韓国人の徴兵制度が義務化されるらしい」とか、「強制徴兵の召集に従わなければ財産を没収されるなどの厳しい罰則があるらしい」とか色々噂になっていますね。
まず法律の改正についてですが、噂で言われている2012年1月に法改正があるという情報は、確かな情報源からは把握できていません。
先日、懇意にしている韓国領事館の担当者とたまたまその話題になりましたが、今のところそのような事実は聞いたことがないということでした。
ただ、実は在日韓国人の徴兵制度に関連する法律はすでに2011年の2月に改正になっています。
どうしても韓国国内で徴兵制度を逃れようとする人が多いようで、その対応策での法改正と言われています。
以下、簡単にまとめてみました。
【原則】
韓国の成人男性(18〜35歳)は、兵役の義務が課せられます。
【例外】
次の条件を満たす人は、兵役を免除されます。
? 韓国以外の国で生まれた人
? 韓国国内で生まれたが、6歳〜18歳まで国外で成長した人
(韓国での修学は3年以内なら許される)
? 本人が18歳になるまで、家族全員が永住権を取得している人
上記の通りですので、日本生まれ・日本育ちの特別永住者の方は通常ですと徴兵に怯える必要はないというのが当事務所の見解です。
また、韓国に留学などをしても、徴兵義務が発生することはありません。
但し、韓国へ永住帰国申告をする場合や、韓国国内に住民登録をする場合には、兵役の義務が課せられる場合があります。
これを読む限り、兵役逃れのためであれば、むしろ国外退去にならないよう在日外国人が努力するだろう、という感覚を受ける。
一応、特別永住者にも手続きが必要になったという話があるが、刑務所に入ることより苦痛とは思えない内容。
兵役免除条件を満たしている人は今後も兵役義務はありませんが、帰化をすることなく在日韓国人であり続ける以上は、37歳になるまではパスポート更新の度に「兵役義務者国外旅行期間延長許可申請」をし続けなければいけないことになりました。
ちなみに民潭のサイトでも同様の見解が書かれており、2012年の現在も修正などされていないので、インターネットで流布されていたような法律改正はなかったということだろう。
http://www.mindan.org/soudan/soudan_07.php
あなた(6歳以降の日本入国、家族含め非永住権者)の場合は、兵役免除申請の条件を満たしていないため、兵役対象者になります。しかし、韓国の兵役制度は、海外で居住している人にまでは執行力が及びません。但し、韓国に入国した際には兵役の義務が発生する恐れがあります。
上記のように、非永住者でさえ海外で居住を続けているだけでも兵役義務から逃れられる、という見解まで出されている。
コピペで犯罪の動機として書かれている部分がデマであった以上、コピペ自体をはっきりデマと見なしていいだろう。
*1:あるいは、日本の刑務所は受刑者を甘やかしているという都市伝説と繋がっているのかもしれない。