法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『クローズアップ現代』アニメを旅する若者たち “聖地巡礼”の舞台裏

聖地巡礼と、実景参考を多用するようになった現代アニメの一長一短を伝える。
冒頭に『たまゆら』の新作アニメーションや、PAワークスの実景参考映像が手短に紹介されたところは興味深かった。


何となく、昨年夏に書いた下記エントリを思い出したりも。
日本アニメ美術論壇の誕生 - 法華狼の日記
らき☆すた』を経済効果という観点から発端として紹介したのは、30分番組ではいたしかたないところか。むろん「聖地巡礼」に通じるファン活動は過去から存在し、番組中でも『ローマの休日』等が言及されていた。
放映後、番組に対して制作側から実景参考は単なる手抜きではないとの指摘もあったが、そこは手近な風景で費用対効果をあげたPAワークスにインタビューしたゆえだろう。背景美術の緻密化がファンから要求されている現状と合わせて説明すれば、過去のアニメに比べて手抜きしたわけではないと説明しやすかっただろうに。


あと、必ずしも高評価ばかりではないことを伝えるために不評意見のある作品として『輪廻のラグランジェ』も紹介された。制作会議風景で鴨川を推している姿や、広報が不評を聞いてうなだれる姿など、痛々しくてしかたなかった。NHKはよく切り込んだと思ったが、むしろ『輪廻のラグランジェ』と役所の懐が広いというところか。


美少女を中心とした作品が多く取り上げられたところは、『クローズアップ現代』が現代のアニメをとりあげた過去回を踏襲。萌えが現代アニメの象徴と『クローズアップ現代』側が考えているということか。
いずれにせよ長所だけを伝えず、広く浅くアニメに興味がない層に伝える番組にはなっていて、多くの疑問点がありつつも、見所の多い番組だったと思う*1

*1:しかし司会者のネックレスがピンマイクに当たってうるさかったことは本気で意味不明。