法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『探偵オペラ ミルキィホームズ サマー・スペシャル』さようなら、小衣ちゃん。ロンググッドバイ・フォーエバーよ永遠に・・・

「さようならドラえもん」のパロディは、森脇真琴監督が過去に主力演出家として原作者の生前から『ドラえもん』にかかわっていたからこそ許される展開ではある。
主人公の顔を見せるまでは真面目なふりをして盛り上げたり、先の場面で前振りしつつもオチをパロディすることで後でもパロディするとは確信させなかったり、くだらないパロディでもギャグとして最大限の効果をあげるよう努力し、クライマックスに向けて収束していくからこそ爆笑できる。
主人公が「さようならドラえもん」の主人公と同じ気持ちになっていること自体が、勝手に勘違いして盛り上がるずれの笑いを生んでいるため、たとえパロディ元を知らなくてもギャグとして楽しめる二重構成も巧みだ。


作画は楽しかったり麗しかったり。ライブなどは緻密に芝居をつけていて現代的で良かった。
しかし何といっても中盤の警察署内において室内を長回しするように背景動画で見せる演出が興味深かった。コンテ演出を担当した森脇監督らしい背景動画の使い方といおうか。たとえば初監督映画『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』でも、アクションに関係ない場面でも背景動画を用いてカメラを振るカットが多目だった。福冨博監督を思わせる背景動画の用い方だが、そういえば、同時期にシンエイ動画で活躍していたどころか、福冨監督の設立したアニメ会社あにまる屋に所属していたこともあったか。