法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『クレヨンしんちゃん』見〜た〜わ〜ね〜!だゾ/しんのすけ対シン・ゴジラだゾ

「見〜た〜わ〜ね〜!だゾ」は、ネネちゃんが注射で泣いてしまった自分を恥ずかしがり、それを目撃したしんのすけを口止めしようと必死になる。
ネネちゃんが空回りしていただけというオチは見えすいているが、途中のディテールがけっこういい。特に“リアルおままごと”でしんのすけを希望通りアクション仮面にさせるため、額縁だけでテレビを表現する手法がうまい。ボーちゃんの演技力のスペックの高さも笑える。


しんのすけシン・ゴジラだゾ」は、そのまま映画宣伝をかねた特撮パロディ。夢オチなどではなく、完全にパラレルワールドとして怪獣の進攻とカスカベ防衛隊の奮闘が展開された。
ムトウユージ監督によるコンテ演出に、高倉佳彦と林静香の夫婦原画と、なかなか映像にも力が入っている。背景美術は珍しく実景をていねいに再現して、細かいテロップ演出もパロディとして楽しい。
しんのすけが巨大化するため大きな幼稚園服をあらかじめ用意しておくとか、それでもズボンを履くことを忘れているとか、バカバカしい描写をていねいにくりかえし、怪獣のリアルとギャグを両立させていることにも感心した。ムトウユージ演出はテンポが遅いのだが、今回のような緻密な描写のつみかさねには向いている。
最初から最後までベタな、デザインと名称を除けば完璧に初代の『ゴジラ』のパロディとして完璧。