法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「自らの失態を認めるがごとき行動は、いたずらに社会の不安を増長させることにもなる」「この期に及んでもまだそのような妄言を」

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/278915.html

 日本経団連米倉弘昌会長は16日、東京都内で記者団に対し、福島第1原発の事故について「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」と述べ、国と東京電力を擁護した。米スリーマイルアイランドの原発事故を上回る重大事故との見方が強いだけに、発言は波紋を広げそうだ。

 米倉会長は事故は徐々に収束の方向に向かっているとし「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」と発言。「政府は不安感を起こさないよう、正確な情報を提供してほしい」と話した。

 一方、日本商工会議所の岡村正会頭は同日開かれた定例会見で「放射能の放出は、国民が最も不安を抱く。正確かつ迅速な情報提供を望む」と要望。その上で「原発の建設基準を向上させるしかない。見直しの期間だけ、(建設が)延伸されることは当然起こりうる」と述べ、今後もエネルギー供給の一定割合は原発に依存せざるを得ないとの認識を示した。

「戦線から遠のくと、楽観主義が現実に取って代わる。そして、最高意志決定の段階では、現実なるものしばしば存在しない。戦争に負けているときは特にそうだ」という台詞を思い出す。
映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』で印象的な台詞の多くが、つまるところ現場に全てを押しつけて、偉い人は口先ばかり勇ましいという普遍的な教訓だ。そしてもう一つが、人が組織として巨大化することでますます敗北を認めにくくなること。だから、たいていの困った出来事に当てはまる。


陰謀論原発完全否定論をここで開陳する必要はない。経団連会長は「原子力行政」と弁護対象を限定しているのだから、事態収拾が長引いている原因はどうであれ、結果の責任を問うことができる。
せめて他の発電所と違って事態収拾に余計な手間がかかっており、「計画停電」がしばらく続く予定で、大都市が地方へ重い負担を背負わせていることが明らかな現在、経団連会長のいうべき言葉ではあるまい。