法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『クレヨンしんちゃん』シロとおつかいだゾ/『SHIN-MEN』ヒューの恋

Aパートは平井峰太郎コンテ演出。シロの名犬ぶりを楽しむだけの短編だが、ゆるんで赤面した表情のシロなど、なかなか普段では見られない絵が多くて楽しめた。


Bパートの『SHIN-MEN』は、風の噂がそのまま世界中の風を生み出すボツワナワナ国の物語。風が吹かなくなって人々が困っている時、願いを聞くとうそぶきながらTON-MENが、ボツワナワナ王子でもあるウィンドSHIN-MENヒューの恋の噂を流そうとする。そして風を強力化する装置で暴風を発生させつつ、ヒューを戦いから遠ざける両面作戦が行われる。嵐が世界を壊そうとするその時、ヒューがひそかに思いを寄せる相手が登場し、その叱咤を受けて一気に再起する。ピンチをまねいた恋愛感情が、少しずらすことでピンチを切り抜ける力となる、そういう明確なキャラクター関係とシンプルな展開がカタルシスを生む。
湯浅政明がコンテ演出、三原三千夫が作画監督かつ一人原画。どのカットもレイアウト、動きともに素晴らしいが、特にモブキャラクターが水上にいる場面が地味に格好良い。作画とは別個に、風の噂を画面上に流れる文章群として表現し、Twitterニコニコ動画を思わせるビジュアルだったことも印象に残った。