修学旅行のはじまりの列車で、予定を書きこんでいた旅行のしおりが行方不明になった。明智と小林は社内販売員がゴウエモンだと喝破したところ、ゴウエモンは返却を拒否して、列車全体をカラクリ化する。次の駅に停まるまで、明智と小林は次々に謎を解かなければならなくなった……
千葉美鈴脚本に、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』SDの土田豊演出。作画監督は稲上晃と美馬健二の共同。
今回はゴウエモンによるミステリートレインが展開されるが、走りつづける列車を舞台にしたシチュエーションコメディの色も濃い。しおりを返す返さないの押し問答で長々と時間をつかったり、屋根にこっそり隠れていたゴウエモンをあっさり発見したり、ハンニンダーが列車の屋根からあっさり落ちたかと思えば必死に生還したとたんに必殺技で浄化されたり、おそらく脚本段階ではなく演出段階で決めてそうなテンポ感が楽しい。幼い視聴者への注意喚起をかねて、走っている列車から降りるのは危険ということを何度も確認して密室状態と強調しつつ、本来ならば頑強な肉体で大丈夫そうなプリキュアやゴウエモンが落ちかけてあわてる描写も笑いを誘う。
ゴウエモンは第7話*1のように複数のミステリーをしかけて、少しずつ難易度があがっていく。それでも真相を当てること自体は難しくなくても、本物の切符をさがさせて旅の始まりを印象づけつつ現代の視聴者はなじみがなさそうな知識を教えたり、状況とそぐわない説明をしたのは状況と密接につながる隠された目的があったりと、犯人は早々にわかっても謎解きの過程を楽しめた。
なお、今作では学校描写がもともと少ないところ、修学旅行もゴウエモンを倒した後にダイジェスト的な描写ですまされた。しかし無理に学校描写に時間をとってミステリ部分を圧迫してしまうより、今作はこのバランスで徹底したほうがタイムパラドックスが気になることもなく、ちょうどいいと思う。