慈英島の村長から、島が無くなるかもしれないという手紙が、事務所にとどいた。伝説によると、妖精があらわれると村が消えるという。その内容をしるした唄のとおりに、薪が倒れたりしたという。そこで唄のとおりに饅頭が消えないよう、名物の饅頭をつくらせないようにしている。
明智と小林は伝説をしらべようと百年間生きている亀に話を聞く。亀によると、島の名前がかつての饅頭島から変わった他に、過去の事件などはないという。そして村長が孫の姉妹のため蔵に隠していた饅頭が消えた。蔵には明智も通れないような小さな穴しかない。妖精のしわざか密室か……
佐多賢人脚本で、殺人こそ起きないが典型的な因習村ミステリが展開された。舞台には不思議な伝説があり、謎めいた歌になぞらえた見立て事件があり、密室盗難事件があり、島につたわる伝説の謎解きまである。
実のところハウダニットは小さいといっても穴の大きさだけで見当がつくくらい簡単で、容疑者が少ないわりに態度が不審すぎてフーダニットとしても歯ごたえがない。しかし、なぜ唄になぞらえて事件を起こしたのかというホワイダニットまで解明することで、モダンな謎解きミステリらしさがある。
村の伝説の真実にしても、台詞で語られることで名前が音として不自然で聞こえづらい難点はあったが、伝説のイメージとは異なる過去の出来事が描かれて、妖精が実在する世界ならではの謎解きも見せられて、悪い印象ではない。
今回の怪盗団ファントムは完全に事件とは別個に、漁夫の利でマコトジュエルをねらう第三者。しかし今回のようなエピソードがあってこそミステリとしての幅がひろがる。本筋にかかわりがないかわりに、時計を怪物化したハンニンダーがプリキュアの変身をパロディするあたりの遊びも笑えて良かった。
絵コンテは前作SDの今千秋。思えば『ひぐらしのなく頃に』の監督か。直面した問題に対して子供たちが自分だけで解決しようとして迷走し、適切な手助けを求めることで根本的な解決にいたるという作品の構造が、今回に似ているといえば似ているかもしれない。