法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『うみものがたり』を見てアニメの文字演出を考えようとしたが、まとまらないのでメモだけ

とりあえず佐藤順一演出というラインで見るなら、『ケロロ軍曹』でのレタリング的な文字演出を思い出す。
しかし視覚的なインパクトが強すぎて、原作の濃さ*1が薄められたアニメにおいては、悪い意味で画面を食っていた感もある。そのためか、佐藤監督が抜けた後の『ケロロ軍曹』ではあまり用いられていない。


文字描写で間合いを生む演出という点でいうと、中村隆太郎監督が印象的。実際、『lain』の第1話には衝撃を受けた。
最近も『キノの旅』を見返して、文章全体を撮影で伸縮させて動きを作るという、『lain』からさらに進んだ技法が面白かった。


市川昆監督から影響を受けた庵野秀明監督の文字演出。『新世紀エヴァンゲリオン』での、唐突にサブタイトルを提示することで映像の流れを断ち切る演出は、当時いろいろ影響を与えたと記憶している。


個別には、佐藤竜雄監督で湯浅政明コンテの『ねこぢる草』が、風変わりなマンガ吹き出し演出をしていたのが面白い。音声では表されない、ふるえる文字という意味では、『うみものがたり』に通じるかも。


あと、『ルパン三世』のサブタイトル演出も、作品の顔として印象的だ……とかいろいろ思い出していたらまとまらなくなった。
本気でアニメ作品の文字演出を考えるなら、アニメ内での流れだけでなく、タイプライターやワープロやケータイといった現実での変化、マンガとの相互影響なんかも視野に入れないといけないかもしれない。

*1:単純なオタクネタ、パロディの情報量から、人物の肉感的な絵柄まで。