しばらく対人掃討作戦がなかったため登場しなかったオートマトンが、久しぶりに使用された話。テロリストを掃討するオートマトンが人質をも殺傷してしまうとか、その際の映像を加工してテロリストが人質を虐殺しているように見せるとか、色々と竹田プロデュースアニメらしい展開を見せてくれる。
オートマトンの投入を見越して人質に事実を知らせ、報道規制されても全員の口をふさげるわけがないと予想するクーデター首謀者の策謀は、その限界もふくめて悪くない。現実の同種事件複数を思い出させつつ、あまり嫌悪感が出ない描き方*1。
そうして大状況がゆるやかに動く中、人質数万人が口封じで殺されそうな描写を積み重ね、物語は結末へ向けてじわじわと緊迫してくる。
一方で、全勢力が気にかけているのに、個人の因縁にとらわれて事態の蚊帳の外にいる主人公陣営はどうかと思った。
それでも、前回の流れを受けて主人公が自身を変革させようと決意する姿を、因縁にとらわれた敵との対立構図で描いたのはわかりやすい。個人的な因縁から脱しようとする主人公は、言及こそされなかったものの、前々回に明かされた真相を受けての成長でもあるだろう。
さて、今回の大規模戦闘は、3DCGで描画されたオートマトンと人間の戦いだったため、状況全体は珍しかったが、個別では印象に残る場面がない。
主人公とライバルの個人的な決闘は、高速で空中を縦横無尽に駆ける素晴らしい作画演出だったが*2、水入りになることが展開から予想できていたので物足りなかった。