法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Mr.インクレディブル』

〜3DCG制作映像はアニメカテゴリで良いのかどうか〜
今さらなくらいなTV放映を録画したものを、今さら視聴。今さら感想を書く意味もないくらい、つっこみにくいほど話がまとまっていて、3DCGの特性を活用した映像も楽しめる、出来のいい映画。
ただ、同スタッフの前作映画『アイアンジャイアント』もそうだったが、敵が愚かで矮小な存在だったため、倒されても個人的には爽快感がなかった。スーパーヒーローを大量殺戮した憎むべき敵ということもわかるが、その殺戮はあまりの幼さゆえ引き起こされたものでもあり、日本のヒーロー物なら命だけは助けようとしそうだ。もちろん同情するほどではないし、その幼さがスーパーヒーローの存在に対して批評的に機能していることもわかるし、中盤のバカバカしい前ふりから自業自得な最期をとげた場面は苦笑もできたのだが。
あと、キャラクターを印象づけるには効果的でも、やはりスーパーヒーローの能力として透明化は扱いにくいことも印象的だった。……色んな制作者が試してみては、たいてい使い切れないまま終わるんだよな。手間がかかるわりに映像は地味になりがちだし。