法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『聖闘士星矢Ω』第 34 話 生死の狭間!冥界の闘い!

コンテとして西澤晋が初参加。原画にも参加し、他に西位輝美や大和田寛の名前もあった。
作画監督が2人いたためか、全体をとおした作画は不安定。しかし闇のコスモにめざめた光牙がキャンサーを圧倒する中盤と、セブンセンシズにめざめたユナがキャンサーを撃破する終盤へ、作画リソースを集中。いまいち映像として面白くしづらい冥界を舞台にして、熱いアクションを見せてくれた。
ただ、闇のコスモに飲まれて暴走する光牙の狂的な姿が良かっただけに、もっとじっくり見たかった感もあった。

『スマイルプリキュア!』第40話 熱血!あかねの宝さがし人生!!

なまためやすひろ作画監督。前半のキャラクター作画のハイライトがうるさかった。記号的にハイライトや影をのせるくらいなら、入れないほうが見やすい。
一方で、後半のアクションは枚数を使っていて、上々。キュアサニー単独のアクションを長く描き、絵面の新鮮さと作画リソースの節約を両立させていた。


今回の物語は、「宝」に悩む日野を通し、大切なものは安易に決められないことを見せていく。ツッコミ役ならではの説得力ある内容だった。むろん、今作で最も平凡なプリキュアによりそうことで、他のボケ役プリキュアが持っている個性も同時に見せていた。
あと、ちゃんとブライアンとの出来事を引っぱっていたのが良かったな。キャラクターを使い捨てにしていない。……忘れてほしかった視聴者も多いようだが、それはそれとして。

『マギ』第8話 守れない約束

山本寛コンテ。多くが回想シーンとはいえ、止め絵の多さが目立った。京都アニメーションを退社するあたりからFixにこだわる発言が増えているが、あまり本人に向いている技法ではないと思う。そもそも作画リソースを視聴者の予想より上乗せして使うことで評価されていた演出家なのだから。


社会階級の差別を描きつつ、スラムに住む下層階級を単純に善良とは描かないところが、現代的で良かった。特にカシムは、主人公格の友人であるだけに、陰影の濃い性格が際立って感じられた。
前回に引っかかっていた紙幣の描写も、さっそく説明が入った。なるほど、中華帝国の経済的な支配下におかれつつある描写であれば、史実をモデルにした異世界描写として強く納得できる。